貯血式自己血輸血について正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
貯血式自己血輸血は、手術前から計画的に患者自身の血液を採血し、輸血に備える方法です。そのため、手術日が決まっている待機手術の患者に適応されます。また、自身の血液を用いることから、他家血輸血に伴う肝炎ウイルスなどの感染症リスクを完全に回避できるという大きなメリットがあります。手術前日のみの採血では準備期間が不足し、80歳以上の高齢者や体重50kg未満の患者であっても、全身状態に応じて適応が判断されるため、一律に禁忌とはなりません。
選択肢ごとの解説
- 1. 貯血式自己血輸血は、手術前から計画的に複数回にわたって採血を行うため、手術直前日のみではありません。採血による貧血状態が改善する期間を考慮する必要があります。正しくは:貯血式自己血輸血は、手術前から計画的に、複数回にわたって行われる。選びやすい理由:輸血直前であれば鮮度が高いと誤解する可能性がある。混同注意:新鮮血輸血や、緊急時の輸血と混同しやすい。
- 2. 正解。貯血式自己血輸血は、事前に採血し貯蔵する方式であるため、手術日がある程度決まっている待機手術の患者に適しています。緊急手術では準備期間がないため適用できません。選びやすい理由:緊急手術でも使えると誤解されやすいが、事前準備が必要なため待機手術に限定される。
- 3. 年齢は貯血式自己血輸血の絶対的な禁忌ではありません。患者の全身状態や合併症の有無によって判断されます。正しくは:年齢は貯血式自己血輸血の絶対的な禁忌ではない。患者の全身状態や合併症の有無によって適応を判断する。選びやすい理由:高齢者は採血による体への負担が大きいと考えるのは自然だが、一律の禁忌ではない。混同注意:特定の疾患や貧血状態が高齢者で多いことと、年齢そのものが禁忌であることと混同しやすい。
- 4. 体重は採血量や全身状態を評価する重要な要素ですが、50kg未満という一律の基準で禁忌となるわけではありません。個々の患者の貧血状態や体格に応じて、採血量や回数を調整して実施されます。正しくは:体重が少ない患者の場合、採血量や回数を個別に調整して実施される。選びやすい理由:体重が少ないと採血による貧血のリスクが高いと考えるのは妥当だが、絶対的な禁忌ではない。混同注意:体重が少ない患者は採血量を考慮する必要があることと、禁忌であることと混同しやすい。
- 5. 正解。自己血輸血は、患者自身の血液を使用するため、他者からの輸血で起こりうるB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルス、HIVなどの感染症リスクを完全に回避できます。これは貯血式自己血輸血の最大の利点の一つです。
国試ポイント
貯血式自己血輸血の基本的な定義、適応、およびそのメリット(特に感染症リスク回避)について理解しているかを問う問題です。具体的な採血時期、年齢や体重による禁忌の判断基準についても正確な知識が求められます。
混同注意
自己血輸血と他家血輸血の利点・欠点、また自己血輸血の種類(貯血式、希釈式、回収式)それぞれの特徴と混同しやすい。特に、年齢や体重が『相対的禁忌』や『慎重な判断が必要』なケースと、『絶対的禁忌』を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
貯血式自己血輸血の適応と禁忌だけでなく、採血量、採血期間、副作用、他家血輸血との比較(コスト、安全性など)についても確認する。
関連知識
自己血輸血の種類(貯血式、希釈式、回収式)とその特徴、メリット・デメリット。輸血に伴うリスク(感染症、GVHD、溶血反応など)。輸血の適応と禁忌。