胎児・新生児溶血性疾患の原因となる不規則抗体はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
胎児・新生児溶血性疾患(HDFN)は、母親が持つ赤血球抗体(主にIgGクラス)が胎盤を通過し、胎児の赤血球を破壊することで発症します。Rh式血液型抗原に対する抗体(抗D、抗C、抗c、抗E、抗eなど)はHDFNの主要な原因となります。抗c抗体と抗E抗体はRh式血液型抗原に対するIgG抗体であるため、HDFNの原因となり得ます。一方、抗Bg抗体はHLA抗原に対する抗体であり、抗Lea抗体や抗N抗体は通常IgMクラスで胎盤を通過しないため、HDFNの原因とはなりません。
選択肢ごとの解説
- 1. 抗Bg抗体はHLA抗原に対する抗体であり、通常、胎児・新生児溶血性疾患(HDFN)の原因にはなりません。輸血副作用との関連が示唆されることはありますが、HDFNとは直接関連が薄いです。正しくは:HDFNの原因となる抗体は、Rh式、ABO式、Kell式、Duffy式、Kidd式などの血液型抗原に対するIgG抗体です。選びやすい理由:輸血に関連する不規則抗体として認識されているため、HDFNの原因抗体と混同する可能性があります。混同注意:他の不規則抗体、特に輸血反応の原因となる抗体と混同しやすいです。
- 2. 正解。抗c抗体はRh式血液型抗原に対するIgG抗体であり、胎盤を通過するため、胎児・新生児溶血性疾患(HDFN)の主要な原因抗体の一つとなります。選びやすい理由:Rh式血液型抗体はHDFNの原因としてよく知られています。
- 3. 正解。抗E抗体もRh式血液型抗原に対するIgG抗体であり、胎盤を通過するため、胎児・新生児溶血性疾患(HDFN)の原因抗体となります。選びやすい理由:Rh式血液型抗体はHDFNの原因としてよく知られています。
- 4. 抗Lea抗体はLewis式血液型抗原に対する抗体ですが、主にIgMクラスであり、胎盤を通過しません。そのため、胎児・新生児溶血性疾患(HDFN)の原因にはなりません。正しくは:HDFNの原因となる抗体は、胎盤を通過できるIgGクラスの抗体です。選びやすい理由:「不規則抗体」という点で共通しているため、HDFNの原因抗体と混同する可能性があります。混同注意:HDFNの原因となるIgG抗体と、胎盤を通過しないIgM抗体とを混同しやすいです。
- 5. 抗N抗体はMNS式血液型抗原に対する抗体ですが、通常はIgMクラスであり、胎盤を通過しません。稀にIgGクラスの抗N抗体が報告されることもありますが、HDFNの原因となることは非常に稀です。正しくは:HDFNの主要な原因となるのはIgGクラスの抗体で、胎盤通過性があります。選びやすい理由:MNS抗原に対する抗体が溶血性輸血副作用を起こすことがあるため、HDFNの原因ともなりうると誤解する可能性があります。混同注意:IgM抗体とIgG抗体の胎盤通過性の違いについて混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、不規則抗体の種類とその病原性(特にHDFNの原因となるかどうか)を問うものです。HDFNの原因となる抗体は、胎盤を通過できるIgG抗体であること、そして特にRh式血液型抗原に対する抗体が重要であることを理解しているかが試されます。
混同注意
胎盤通過性のあるIgG抗体と、胎盤通過性のないIgM抗体の区別が重要です。また、輸血反応の原因となる抗体とHDFNの原因となる抗体を混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、不規則抗体のクラス(IgGかIgMか)、胎盤通過性の有無、そして抗体の対象となる血液型抗原の種類に注目して判断します。
関連知識
Rh式血液型抗体(抗D、抗C、抗c、抗E、抗e)、ABO式血液型抗体(抗A、抗B)、Kell式血液型抗体(抗K)、Duffy式血液型抗体(抗Fya、抗Fyb)、Kidd式血液型抗体(抗Jka、抗Jkb)など、IgGクラスで胎盤を通過する抗体がHDFNの原因となり得ます。