ヒトの生殖細胞の分裂について誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番(いずれも正解)
解説
【公式の取扱い】この問題は1つを選ぶ形式ですが、公式の正答表では2・4のいずれも正解とされています。 選択肢2は、DNA複製が第一分裂開始前(間期S期)に行われるため誤りです。選択肢4は、1つの卵母細胞から機能的な卵子は1つしか生じませんが、極体も形成されるため、生じる細胞の総数としては誤りまたは不正確な表現となります。精子形成では1つの精母細胞から4つの精子が形成されるのに対し、卵子形成では非対称分裂により1つの卵子と極体が形成されることを理解している必要があります。
選択肢ごとの解説
- 1. 減数分裂は第一減数分裂と第二減数分裂の2回に分けて起こり、生殖細胞(精子・卵子)が形成されます。正しくは:正しい記述であるため、修正の必要はありません。選びやすい理由:正しい知識なので、誤りだと選択する可能性は低いですが、減数分裂の回数を混同すると間違いやすいかもしれません。混同注意:体細胞分裂(1回)との混同。
- 2. 正解。DNA複製は減数分裂の第一分裂が始まる前の間期(S期)に起こります。第一分裂開始時にはすでに複製が完了しています。正しくは:DNAは第一減数分裂が始まる前の間期(S期)に複製されます。選びやすい理由:「分裂が始まる時」という表現が曖昧で、直前の間期S期を含むと解釈してしまう可能性があるため。混同注意:細胞周期におけるDNA複製と分裂期のイベントのタイミング。
- 3. 減数分裂の第一分裂前期において、相同染色体間で遺伝子組み換え(交叉)が起こります。これは遺伝的多様性を生み出す重要な過程です。正しくは:正しい記述であるため、修正の必要はありません。選びやすい理由:正しい知識なので、誤りだと選択する可能性は低いですが、組み換えの時期や重要性を知らないと判断に迷うかもしれません。混同注意:組み換えが起こる時期(第二分裂ではないこと)。
- 4. 正解。1つの一次卵母細胞からは、1つの成熟卵子と2〜3個の極体が生じます。極体は退化するため、機能的な卵子としては1つのみです。正しくは:1つの卵母細胞から1つの機能的な卵子と、2〜3個の極体が生じます。選びやすい理由:一見すると正しいように思えるが、極体の存在を考慮すると誤りとなるため。混同注意:精子形成(1つの精母細胞から4つの精子ができる)との混同。極体の機能や運命。
- 5. 精子と卵子は減数分裂によって染色体数が半減し、それぞれ23本の染色体(n=23)を持つ配偶子となります。正しくは:正しい記述であるため、修正の必要はありません。選びやすい理由:正しい知識なので、誤りだと選択する可能性は低いですが、染色体数に関する知識が曖昧だと判断に迷うかもしれません。混同注意:体細胞の染色体数(46本)との混同。
国試ポイント
減数分裂の主要なプロセス(DNA複製、染色体行動、組み換え、最終的な細胞数と染色体数)と、精子形成および卵子形成の違いを正確に理解しているかを問う問題です。特に、卵子形成における極体の扱いがポイントとなります。
混同注意
体細胞分裂と減数分裂の違い、精子形成と卵子形成の違い、減数分裂中のDNA複製と組み換えのタイミング、最終的な染色体数。
次に同じ論点が出たら
減数分裂の各段階(前期、中期、後期、終期)で何が起こるか、特に染色体行動に注目して理解できているかを確認する。また、精子形成と卵子形成の図を正確に読み解けるかを問う問題にも注意する。
関連知識
細胞周期(G1, S, G2, M期)、相同染色体、二価染色体、交叉、配偶子、極体、核相(nと2n)。