分光光度計で真の吸光度よりも小さい値となるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
分光光度計の測定において、迷光(測定波長以外の光)が検出器に到達すると、真の試料による吸光度低下(光量減少)が見かけ上小さくなり、吸光度が低く測定されることになります。これは、迷光によって透過光が増加したと誤認されるためです。
選択肢ごとの解説
- 1. 測定用セルが汚染されていると、光の散乱や吸収が増加し、透過光が減少するため、吸光度は高く測定される傾向にあります。正しくは:吸光度が高く測定される要因となる。選びやすい理由:測定誤差の一般的な原因であるため、迷いやすい。混同注意:迷光の影響。迷光は吸光度を低くするが、セルの汚染は高くする。
- 2. 光路長が長くなると、Lambert-Beerの法則(A=εbc)に従い、吸光度は増加します。真の値に比べて吸光度が高く測定される要因となります。正しくは:吸光度が高く測定される要因となる。選びやすい理由:光路長の変化が測定値に影響を与えることは理解できるが、その方向性を誤解しやすい。混同注意:光路長が短い場合の影響。
- 3. 測定試料が混濁していると、光が散乱され、検出器に到達する光が減少します。これは見かけ上吸光度が増加したように測定される要因となります。正しくは:吸光度が高く測定される要因となる。選びやすい理由:試料の状態が測定に影響を与えることは明らかで、迷光と混同しやすい。混同注意:溶媒や試薬の色が測定に影響する場合。
- 4. 正解。測定光の中に迷光が混入していると、検出器に到達する光の総量が増加します。これにより、真の吸光度(試料による光の吸収)が見かけ上小さく測定され、吸光度が低く評価されます。選びやすい理由:迷光が測定に悪影響を与えることは知られていても、その具体的な影響の方向性を正確に理解していない場合、他の選択肢と混同しやすい。混同注意:光源ランプの光度低下や試料の混濁による吸光度の増加。
- 5. 光源ランプの光度が弱まると、入射光強度I0が低下しますが、透過光Iも同様に低下するため、I0/Iの比率は維持され、吸光度自体は本来変化しません。しかし、信号対ノイズ比が低下し、測定の精度が落ちる可能性があります。もし測定系がI0の変動を適切に補償できない場合、Iが過小評価され、結果的に吸光度が高く測定される可能性もあります。正しくは:通常、吸光度自体に直接的な影響は与えないが、測定精度を低下させる。もし影響が出るなら吸光度が高く測定される要因となる可能性がある。選びやすい理由:光源の異常が測定誤差に繋がることは容易に想像できるため、選びやすい。混同注意:迷光の混入や検出器の感度低下。
国試ポイント
分光光度計の測定原理と、吸光度測定に影響を与える要因(特に迷光の影響)を理解しているか。
混同注意
迷光と光源光度低下、測定試料の混濁による影響を混同しやすい。迷光は吸光度を低く見せるが、光源光度低下や混濁は吸光度を高く見せる、または測定値を不正確にする。
次に同じ論点が出たら
分光光度計の測定において、「吸光度が低く測定される」という結果から、測定光以外の光が検出器に到達している可能性(迷光の混入)を判断する。
関連知識
吸光度A = log(I0/I) = εbc (Lambert-Beerの法則)。I0は入射光強度、Iは透過光強度。迷光はIを増加させる方向に働くため、Aが減少する。高吸光度側での測定誤差の原因となる。