臨床試験業務で誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
二重盲検試験の核心は、被験者だけでなく、医療従事者(医師、看護師、臨床検査技師など)も、どの被験者が試験薬(実薬)を投与され、どの被験者が偽薬を投与されているかを知らない状態で行われることです。この「盲検化」の目的は、試験結果に対する思い込みや先入観による影響(バイアス)を排除し、客観的で信頼性の高いデータを得るためです。臨床検査技師が事前に偽薬投与患者を把握してしまうと、この盲検性が破られ、試験の公平性や信頼性が損なわれてしまいます。
選択肢ごとの解説
- 1. 臨床試験は、新薬が市場に出る前に、その有効性と安全性を科学的に評価するために不可欠なプロセスです。正しくは:正しい記述です。臨床試験は新薬開発において重要な役割を担っています。選びやすい理由:一般的な臨床試験の目的に関する記述であり、正しいように見えるため。混同注意:治験の基本的な目的について誤解している場合に混乱する可能性があります。
- 2. 臨床試験の主要な目的の一つは、対象となる医薬品の安全性を確認し、起こりうる副作用を詳細に評価することです。正しくは:正しい記述です。安全性評価は臨床試験の重要な柱です。選びやすい理由:臨床試験の目的として非常に一般的で正しい記述であるため。混同注意:治験の基本的な目的について誤解している場合に混乱する可能性があります。
- 3. 市販後の医薬品についても、まれな副作用の検出や新たな適応症の探索、長期的な有効性の評価のために、製造販売後調査や臨床試験が行われることがあります。正しくは:正しい記述です。製造販売後調査や市販後臨床試験も重要です。選びやすい理由:臨床試験は新薬開発だけのものではないと理解していないと迷うかもしれませんが、これは正しい記述です。混同注意:臨床試験が新薬開発のみに限定されるという誤解と混同する可能性があります。
- 4. 正解。二重盲検試験の目的は、医師や患者の先入観が結果に影響を与えるのを防ぐことです。そのため、試験に関わるスタッフ(臨床検査技師を含む)は、患者が実薬と偽薬のどちらを投与されているかを知ってはいけません。事前に把握することは二重盲検の原則に反します。正しくは:二重盲検試験では、臨床検査技師も患者が実薬と偽薬のどちらを投与されているかを知るべきではありません。情報開示は結果のバイアスにつながります。選びやすい理由:検査技師がより正確な検査を行うために、患者の状態を詳しく知ることは良いことだと誤解する可能性がありますが、二重盲検の原則においては情報統制が極めて重要です。混同注意:通常の臨床業務における情報共有の必要性と、治験の二重盲検の原則を混同しやすいです。
- 5. 臨床試験の信頼性と倫理性を確保するためには、医療機関が適切な体制を整えていることを外部機関によって評価・認定されることが望ましいとされています。GCP(Good Clinical Practice)などの国際基準に準拠しているかどうかの確認は重要です。正しくは:正しい記述です。外部評価と認定は、治験の質と信頼性を保証するために重要です。選びやすい理由:これは治験の質を保証するための一般的な基準であり、正しい記述です。混同注意:GCPなどの臨床試験に関する国際的な規制やガイドラインの理解が不足していると、この点が正しいと判断しにくいかもしれません。
国試ポイント
臨床試験、特に二重盲検試験の基本的な目的と原則、そして臨床検査技師がそのプロセスにおいてどのような役割と制約を持つかについて正確な知識が問われています。二重盲検の「盲検」が何を指し、なぜ重要なのかを理解しているかが鍵となります。
混同注意
通常の診療における患者情報の共有と、治験における情報開示の厳格な制限を混同しやすいです。また、臨床検査技師が知るべき情報と知るべきではない情報の区別が曖昧だと誤答につながります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、臨床試験の種類(単盲検、二重盲検、非盲検)ごとの特徴と、それぞれの試験における医療従事者の役割や情報管理の原則が問われる可能性が高いです。
関連知識
GCP(医薬品の臨床試験の実施に関する基準)、IRB(治験審査委員会)、倫理指針、プラセボ効果、バイアス、単盲検試験、多施設共同試験。