血中濃度が朝方から午前中に高く、午後から夜間にかけて低くなるホルモンはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
コルチゾールは副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンで、視床下部-下垂体-副腎皮質軸によってその分泌が制御されています。この軸は概日リズムに従い、覚醒の準備として早朝から午前中にかけて血中濃度が上昇し、午後から夜間にかけて低下するという典型的な日内変動を示します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。コルチゾールは、視床下部-下垂体-副腎皮質系によって分泌が制御されており、朝方にピークを迎え、夜間に最低値となる日内変動(概日リズム)を示します。これは、ストレス応答や糖代謝、免疫機能の調節に関与しています。
- 2. アドレナリンは副腎髄質から分泌され、交感神経系の活性化によって急激に分泌が促進されます。日内変動よりも、ストレスや運動などの特定の刺激に強く反応して分泌が変動します。正しくは:アドレナリンは、ストレスや運動などの緊急時に迅速に分泌が増加するホルモンです。特定の日内変動パターンは持っていません。選びやすい理由:ストレスホルモンという点でコルチゾールと関連があるため、日内変動も似ていると誤解する可能性があります。混同注意:コルチゾール(副腎皮質)とアドレナリン(副腎髄質)はどちらも副腎から分泌されるストレス関連ホルモンですが、その分泌パターンは異なります。
- 3. アルドステロンはレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系によって体液量や血圧の調節に関与しますが、その分泌には日内変動よりも体位やナトリウム摂取量などの影響が大きいとされています。厳密な意味での明確な日内変動は示しません。正しくは:アルドステロンの分泌は、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系や血中カリウム濃度によって主に制御されます。選びやすい理由:多くのホルモンに日内変動があるため、一般的な日内変動を示すホルモンの一つとして誤って選ぶ可能性があります。混同注意:他のステロイドホルモン(コルチゾール)と混同しやすいですが、その主な調節因子や日内変動の程度は異なります。
- 4. 抗利尿ホルモン(ADH、バソプレシン)は、主に体液の浸透圧や循環血液量の変化に応答して分泌されます。睡眠中に分泌が上昇する傾向はありますが、設問のような「朝高・夜低」という明確な日内変動パターンを示すとは限りません。特に夜間には水分再吸収を促すことで尿量を減らす働きがあるため、むしろ夜間に分泌が亢進することもあります。正しくは:抗利尿ホルモンの分泌は、体液の浸透圧や血圧の変化に強く反応します。睡眠中は分泌が増加する傾向があります。選びやすい理由:睡眠中のホルモン変動という点で、何らかの日内変動があるホルモンとして選んでしまう可能性があります。混同注意:成長ホルモンやプロラクチンなど、睡眠中に分泌が増加するホルモンと混同しやすいです。
- 5. 甲状腺刺激ホルモン(TSH)は、甲状腺ホルモンの分泌を調節するホルモンです。一般的に夜間に分泌が上昇し、日中に低下するという日内変動を示しますが、設問の「朝方から午前中に高く、午後から夜間にかけて低くなる」というパターンとは逆の傾向です。正しくは:甲状腺刺激ホルモンは夜間に分泌が上昇し、日中に低下する日内変動を示します。選びやすい理由:日内変動を示すホルモンであることは事実なので、パターンを間違えて選んでしまう可能性があります。混同注意:コルチゾールとは日内変動のピークとトラフが逆になります。他の日内変動を持つホルモンと、そのピーク時間帯を混同しやすいです。
国試ポイント
ホルモンの日内変動(概日リズム)とその具体的なパターンを理解しているか問う問題です。特に、コルチゾールは臨床検査においても重要な指標であり、採血時間によって基準値が異なるため、その日内変動を正確に把握しておく必要があります。
混同注意
日内変動を示す他のホルモン(例: 成長ホルモン、プロラクチン、TSHなど)とその変動パターン。特に、コルチゾールとは逆のパターンを示すTSHなどと混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、各ホルモンがどのような刺激で分泌されるか、あるいはどのような日内変動パターンを示すか、そしてそれが生理的にどのような意味を持つかを判断する必要があります。また、日内変動を考慮すべき検査項目としてコルチゾールが問われる可能性も高いです。
関連知識
概日リズム(サーカディアンリズム)、視床下部-下垂体-副腎皮質系、副腎皮質ホルモンの生理作用、ホルモンの採血における時間的考慮事項。