血清と比較した血漿検体の特徴で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
血漿検体は抗凝固剤が添加されており、採血後すぐに遠心分離すれば血球成分が壊れる前に分離されるため、主に赤血球由来である乳酸脱水素酵素(LD)の細胞外漏出が少なく、血清検体に比べて偽高値となるリスクが低減されるため。
選択肢ごとの解説
- 1. 血漿検体は採血後速やかに遠心分離されれば、凝固する過程で血球が物理的に破壊されるリスクが低減されるため、必ずしも溶血の発生頻度が高いわけではない。正しくは:溶血の発生頻度は血清検体と比較して低い傾向にあるか、適切に処理されれば同等である。選びやすい理由:血漿検体は抗凝固剤が入っているため、細胞が壊れやすいと誤解する可能性がある。混同注意:採血時の手技不備や不適切な保存条件による溶血。
- 2. 正解。血漿検体では、凝固過程での血球破壊や長時間放置による溶血が避けられるため、主に赤血球内に高濃度に存在するLDが細胞外へ漏出するリスクが低減される。これにより、LD活性の偽高値が少ない。選びやすい理由:LDは溶血の影響を強く受ける酵素であるという知識があるため、血漿検体がその影響を受けにくいという結びつきが理解されやすい。混同注意:LDが細胞内酵素であること。
- 3. 血漿検体には抗凝固剤が添加されており、凝固が阻止されているため、凝固因子(フィブリノゲンなど)は血漿中にそのまま存在している。血清には凝固因子の大部分が含まれない。正しくは:凝固因子は存在する。選びやすい理由:「血漿は血液から血球を除いたもの」という定義と「血清は凝固した血液から血餅を除いたもの」という定義の違いから、凝固因子が存在しないと誤解する。混同注意:血漿と血清の定義の違い、特にフィブリノゲンの有無。
- 4. 血漿検体には抗凝固剤(特にヘパリンやEDTA)が添加されており、これらの薬剤が蛋白質と結合したり、荷電状態に影響を与えたりすることで、電気泳動などの蛋白分画に影響を与える可能性がある。正しくは:蛋白分画への影響が大きい場合がある。選びやすい理由:血清検体と比べて血液中の成分が自然な状態に近いと考え、影響が少ないと誤解する。混同注意:抗凝固剤の種類とその作用機序。
- 5. 血漿検体は抗凝固剤が添加されているため、採血後速やかに遠心分離を行えば測定が可能である。血清検体は凝固を待つ時間が必要なため、血漿検体の方が採血から測定までの時間は短いことが多い。正しくは:採血から測定までに時間がかからない(むしろ短いことが多い)。選びやすい理由:血漿検体は特殊な処理が必要で時間がかかると誤解する可能性がある。混同注意:血清分離に必要な凝固時間。
国試ポイント
血漿検体と血清検体の違い、特に抗凝固剤の有無による成分分析への影響(酵素活性、凝固因子、電解質など)を理解する。
混同注意
血漿と血清の定義の違い(フィブリノゲンなど凝固因子の有無)と、それらが臨床検査値に与える影響を混同しやすい。特にカリウムやLDなどの細胞内酵素は、溶血によって偽高値を示すことがある点を区別する。
次に同じ論点が出たら
血漿検体と血清検体のどちらが特定の検査項目に適しているかを問われた場合、その検査項目が溶血の影響を受けやすいか、凝固因子を含むか、または抗凝固剤の影響を受けやすいかを判断基準とする。
関連知識
カリウムは赤血球内に多く含まれるため、溶血により血清カリウム値が偽高値になる。また、血漿検体では抗凝固剤としてヘパリンやEDTAが用いられ、それぞれ電解質(Caなど)や蛋白測定に影響を及ぼす可能性がある。フィブリノゲンは血漿中に存在するが血清中には存在しない凝固因子である。