下腹部正中横走査による男性の骨盤腔の超音波像(別冊No. 7)を別に示す。矢印で示すのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
超音波画像では、膀胱の直下に位置し、尿道を取り囲むように存在する実質臓器として描出されるのは前立腺です。この画像は下腹部正中横走査であり、前立腺が扇状に描出されています。
選択肢ごとの解説
- 1. 精囊は前立腺の後方に位置し、左右一対の低エコー域として描出されることが多い。画像中の矢印で示された臓器とは異なる。正しくは:精囊は前立腺後方に位置し、通常は前立腺のさらに尾側に、左右対称の低エコーの小嚢胞として描出される。選びやすい理由:前立腺と近接しているため、解剖学的知識が不確かな場合に誤って選択される可能性がある。混同注意:前立腺
- 2. 正解。画像の上部にある無エコーの膀胱のすぐ下に位置し、尿道を取り囲むように存在する実質臓器が描出されている。これは前立腺の典型的な超音波像である。選びやすい理由:正しい選択肢であるため、医学知識があれば選びやすい。
- 3. 直腸は前立腺のさらに後方、骨盤腔の最も後方に位置する消化管である。通常、超音波では腸管ガスの影響で明瞭に描出されにくいか、消化管として異なるエコーパターンを示す。正しくは:直腸は前立腺よりさらに尾側(画像の下方)に位置する。消化管であるため、内容物によってエコー像は多様であり、前立腺とは異なる形態を示す。選びやすい理由:骨盤内の臓器であるため、位置関係を混同する可能性がある。混同注意:前立腺、精囊
- 4. 尿道は前立腺の中央を貫通しているが、超音波検査では通常、前立腺全体として描出されるため、単独で矢印が指し示すような大きな臓器として識別されることは稀である。正しくは:尿道は前立腺を貫通する管腔構造であり、矢印で指し示されている実質臓器そのものではない。選びやすい理由:前立腺と尿道は密接な関係にあるため、関連する臓器として選択肢に含められると迷う可能性がある。混同注意:前立腺
- 5. 膀胱は画像の上部にある黒く描出された液体貯留腔であり、矢印で指し示された部分とは明らかに異なる。正しくは:膀胱は画像上部の無エコー領域である。選びやすい理由:膀胱は前立腺と隣接しており、男性骨盤腔の超音波検査で重要な基準点となるため、注目されるが、画像では明確に区別できる。混同注意:前立腺
国試ポイント
男性骨盤腔の超音波画像における各臓器の解剖学的位置関係を理解しているか。
混同注意
精囊は前立腺の後方(画像では下側)に位置し、通常は左右一対のやや低エコーの嚢胞状構造として描出されるため、前立腺とは異なる。膀胱と前立腺は隣接するが、膀胱は無エコーの液体貯留腔として明瞭に区別される。
次に同じ論点が出たら
同様の超音波画像が出た場合、まず膀胱(無エコー域)の位置を特定し、その直下にある臓器が前立腺であると判断する。精囊や直腸は前立腺より後方に位置すること、尿道は前立腺を貫く形で存在するが、超音波では通常その走行を直接追うのは難しいことを踏まえる。
関連知識
前立腺肥大症の超音波検査では、前立腺の大きさや内部エコーの変化を評価する。残尿測定も合わせて行われることが多い。経直腸超音波 (TRUS) は前立腺の詳細な評価に用いられる。