頸動脈の超音波検査において動脈硬化症の患者でみられやすいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
頸動脈の超音波検査において動脈硬化症の患者でよく見られる所見は、血管壁の異常な隆起である「プラーク」と、動脈硬化の初期変化を示す「内中膜複合体肥厚(IMT肥厚)」です。これらの所見は動脈硬化の診断や重症度評価に不可欠です。
選択肢ごとの解説
- 1. 交通枝は、血管同士を結ぶ細い枝のことであり、動脈硬化症の直接的な超音波所見ではありません。脳血管系における血液供給経路の一つですが、頸動脈超音波で動脈硬化を示す所見として評価されることはありません。正しくは:動脈硬化症の超音波所見として交通枝は適切ではありません。選びやすい理由:血管に関連する用語であるため、一見すると選択肢としてあり得るように感じられるかもしれませんが、動脈硬化の直接的な所見とは異なります。混同注意:脳血管の解剖学的構造と、動脈硬化による病理学的変化を混同する可能性があります。
- 2. 正解。プラーク(粥腫)は動脈硬化症の典型的かつ主要な超音波所見です。血管壁にコレステロールなどが沈着・増殖し、隆起した病変であり、血流障害や塞栓の原因となります。
- 3. ポリープは通常、消化管や子宮などの粘膜に発生する隆起性病変であり、血管壁に形成される動脈硬化性病変ではありません。血管にできる隆起性の病変としては、腫瘍や血栓などが考えられますが、ポリープとは呼ばれません。正しくは:ポリープではなく、プラークが動脈硬化症の所見です。選びやすい理由:血管壁の「隆起」という点でプラークと混同するかもしれませんが、ポリープは血管の病変とは異なります。混同注意:プラークとポリープという隆起性病変の名称を混同する可能性があります。
- 4. デブリエコーは、胆嚢内の泥状物質や膿瘍内の壊死組織などの浮遊物を指すことが多く、血管内の動脈硬化性病変の直接的な所見としては一般的ではありません。血管内の浮遊物としては、血栓の一部やプラークの不安定化による遊離物などが考えられますが、デブリエコーという表現は適切ではありません。正しくは:デブリエコーは動脈硬化症の超音波所見として一般的ではありません。プラークやその内部の性状が評価されます。選びやすい理由:血管内に何か「浮遊物」があるイメージから、病変に関連すると考えるかもしれませんが、動脈硬化症の診断で用いられる直接的な用語ではありません。混同注意:血管内の浮遊物と、胆嚢などの臓器内のデブリエコーを混同する可能性があります。
- 5. 正解。内中膜複合体 (Intima-Media Thickness: IMT) の肥厚は、動脈硬化の初期病変として知られ、超音波検査で評価される重要な指標です。血管壁の最も内側の層が厚くなることで、動脈硬化の進行リスクを示唆します。
国試ポイント
本問題は、頸動脈超音波検査で動脈硬化症の診断に用いられる主要な所見を正確に理解しているかを問うものです。基本的な病理学的変化とその超音波像を結びつける知識が求められます。特に「プラーク」と「内中膜複合体肥厚」は頻出のキーワードです。
混同注意
プラークとポリープ、デブリエコーなどの、形状は似ているが病理学的意義が異なる用語との区別が重要です。また、交通枝のような解剖学的構造と病変を混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、動脈硬化の他の超音波所見(例:血管狭窄の有無、血流速度の変化)や、プラークの性状評価(例:エコー輝度、不均一性)、または、超音波検査以外の動脈硬化評価法(例:ABI、PWV)についても問われる可能性があります。
関連知識
頸動脈超音波検査におけるプラークの安定性(均一エコー、不均一エコー)、潰瘍形成、狭窄率の測定、IMT測定基準(1.1mm以上が肥厚とされることが多い)などの関連知識も重要です。また、動脈硬化の危険因子(高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙など)についても理解しておく必要があります。