日本臨床化学会〈JSCC〉勧告法で共役酵素を用いないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
γ-GTのJSCC勧告法では、γ-GTの作用によって基質から直接発色する生成物(ANB)が遊離するため、その生成速度を吸光度変化として測定します。この測定系に共役酵素は必要ありません。他の選択肢の酵素(AST, AMY, CK, ChE)のJSCC勧告法では、目的の反応によって生成される物質をさらに別の酵素(共役酵素)を用いて最終的に測定可能な物質(NADHや発色物質など)に変換してから測定します。
選択肢ごとの解説
- 1. JSCC勧告法におけるAST測定では、共役酵素としてリンゴ酸脱水素酵素(MDH)や乳酸脱水素酵素(LDH)などを用いて、生成されるオキサロ酢酸を還元し、NADHの減少を測定します。正しくは:ASTの測定には共役酵素が用いられます。選びやすい理由:酵素活性測定であるため、共役酵素を用いることが一般的であり、他の項目と混同しやすい。混同注意:他の共役酵素を用いる項目(CK、LDなど)
- 2. JSCC勧告法におけるAMY測定では、アミラーゼが基質を分解して生成するオリゴ糖をさらに共役酵素(グルコシダーゼなど)で分解し、生成されるグルコースを測定する方法が一般的です(G3PDH-GOPOD法など)。正しくは:AMYの測定には共役酵素が用いられます。選びやすい理由:基質特異性が高い酵素なので共役酵素なしで直接測定できそうに思えるかもしれない。混同注意:他の酵素測定法。
- 3. JSCC勧告法におけるCK測定では、共役酵素としてヘキソキナーゼやグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PDH)などを利用し、ATPの生成をNADP(H)の増減として測定します。正しくは:CKの測定には共役酵素が用いられます。選びやすい理由:高活性酵素であるため、測定原理が単純に思えるかもしれない。混同注意:他の共役酵素を用いる項目(AST、LDなど)
- 4. JSCC勧告法におけるChE測定では、共役酵素としてN-メチルカルバメート水解酵素やアルコール脱水素酵素などを用いて、基質分解により生じる生成物を測定します。正しくは:ChEの測定には共役酵素が用いられます。選びやすい理由:基質特異性が高い酵素のため、共役酵素なしで直接測定できそうに思えるかもしれない。混同注意:他の酵素測定法。
- 5. 正解。JSCC勧告法におけるγ-GT測定では、γ-GTが基質であるL-γ-グルタミル-3-カルボキシ-4-ニトロアニリド(GCNA)を分解して生成する5-アミノ-2-ニトロ安息香酸(ANB)の生成速度を直接405nmの吸光度変化で測定します。この過程で共役酵素は使用されません。選びやすい理由:他の選択肢と異なり、直接生成物の吸光度変化を測定するため、原理を理解していれば間違いにくい。混同注意:共役酵素を使用する他の酵素活性測定項目。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、主要な酵素測定項目について、その測定原理、特に共役酵素の有無や使用される共役酵素の種類、そして測定される最終生成物(NADHの増減、発色物質など)が頻繁に問われます。JSCC勧告法が基準となることが多いです。
混同注意
各酵素の測定原理、特に共役酵素を用いるか否か、またその種類が混同しやすい。特に、直接生成物を測定できる酵素と、そうでない酵素の区別が重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各酵素のJSCC勧告法における測定原理(特に共役酵素の種類と最終的な測定対象物質)を正確に理解しているかを問われます。特に、NADH/NADPHの増減を測定するのか、発色物質を直接測定するのかを区別することが重要です。
関連知識
AST: JSCC勧告法では、L-アスパラギン酸とα-ケトグルタル酸からオキサロ酢酸とL-グルタミン酸を生成。オキサロ酢酸をMDHとLDHを共役酵素としてNADHの減少を測定。 AMY: JSCC勧告法では、基質であるデンプンや合成基質を分解し、生成したオリゴ糖やマルトースをさらに共役酵素(例: α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ/ペルオキシダーゼ)で最終的に測定可能なグルコースや発色物質に変換して測定。 CK: JSCC勧告法では、クレアチンリン酸とADPからクレアチンとATPを生成。ATPをヘキソキナーゼとG6PDHを共役酵素としてNADPHの生成を測定。 ChE: JSCC勧告法では、ブチリルチオコリンを基質とし、コリンエステラーゼが分解して生成するチオコリンを、さらにDTNBなどと反応させて発色させ、吸光度を測定。