上昇するアイソザイムと疾患の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
ALPのアイソザイムは主に電気泳動法によって分離され、肝臓、骨、小腸、胎盤などに由来する複数の分画が存在します。ALP1は肝臓由来のアイソザイムであり、胆道系の閉塞や肝内胆汁うっ滞が生じると、胆管細胞からのALP産生が増加し、血中濃度が上昇します。閉塞性黄疸は胆道閉塞により胆汁うっ滞を来すため、ALP1の上昇が見られます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ALP1は肝臓由来のALPアイソザイムであり、胆汁うっ滞を伴う閉塞性黄疸では胆管細胞からのALP産生・逸脱が増加するため、ALP1の血中濃度が上昇します。
- 2. 悪性腫瘍の骨転移で上昇するのはALP2ではなく、ALP3(骨型ALP)です。骨芽細胞の活性化に伴いALP3が上昇します。正しくは:ALP3 ― 悪性腫瘍の骨転移選びやすい理由:ALPは骨疾患で上昇するという知識から、ALP2と骨転移を結びつけやすいかもしれません。混同注意:ALP2は主に肝臓由来のアイソザイムの一部ですが、骨由来のALPはALP3とされています。
- 3. ALP3は主に骨由来のアイソザイムであり、肝硬変で特異的に上昇するものではありません。肝硬変では肝細胞障害や胆汁うっ滞に伴い、主にALP1やALP2が上昇する可能性がありますが、肝機能の低下が進行するとALP産生自体が低下することもあります。正しくは:ALP1またはALP2(肝由来) ― 肝硬変選びやすい理由:肝臓疾患ではALP全体が上昇する傾向があるため、ALP3もその一つと誤解する可能性があります。混同注意:ALP1/ALP2(肝由来)とALP3(骨由来)の区別が曖昧になっていると間違えやすいです。
- 4. ALP4は通常、小腸や胎盤由来のアイソザイムであり、腎不全で特異的に上昇するものではありません。腎不全では二次性副甲状腺機能亢進症により骨代謝が亢進し、ALP3(骨型ALP)が上昇することがあります。正しくは:ALP3 ― 腎不全(二次性副甲状腺機能亢進症を伴う場合)選びやすい理由:腎不全は多臓器に影響を与えるため、ALPの特定のアイソザイムと関連付ける可能性があるかもしれません。また、一部の病態でALPが上昇することはあります。混同注意:ALPの各アイソザイムの由来と、腎不全における骨代謝異常の関連を混同しやすいです。
- 5. ALP5は胎盤由来のアイソザイムや、まれに腫瘍組織でみられるアイソザイムであり、潰瘍性大腸炎で特異的に上昇するものではありません。潰瘍性大腸炎に続発する原発性硬化性胆管炎などではALP全体が上昇することがありますが、特定のアイソザイムであるALP5が直接上昇するわけではありません。正しくは:ALP1またはALP2(肝由来) ― 原発性硬化性胆管炎(潰瘍性大腸炎の合併症として)選びやすい理由:潰瘍性大腸炎のような炎症性疾患では、さまざまな酵素が上昇する可能性があるという一般知識から、関連があると思ってしまうかもしれません。混同注意:ALPのアイソザイムの起源と、特定の疾患におけるALP全体の変動を混同しやすいです。
国試ポイント
ALPアイソザイムの種類とその主な由来臓器、および各アイソザイムが特徴的に上昇する疾患の組み合わせを正確に理解しているかを問う問題です。特に、ALP1(肝型)、ALP2(肝型の一部/薬物誘導型)、ALP3(骨型)、ALP4(小腸型)、ALP5(胎盤型/異常型)の区別が重要です。
混同注意
ALPアイソザイムの番号と由来臓器、および疾患との関連を混同しやすい。特に、肝臓型と骨型の区別は頻出であり、誤って覚えていると間違えやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の問題が出題された場合は、各ALPアイソザイムの『主要な由来臓器』と『その臓器に関連する代表的な疾患』を正確に結びつけられるかを確認してください。特に、肝臓疾患、骨疾患、妊娠時などの特異的な状況を重点的に学習することが重要です。
関連知識
ALPのアイソザイムは、電気泳動法による分画の移動度によって番号付けされています。ALP1は最も陰極側に近く、ALP5は最も陽極側に近い傾向があります。ALPの総活性が高い場合に、その上昇原因が肝臓、骨、あるいは他の臓器のいずれにあるのかを鑑別するためにアイソザイム分析が行われます。