細胞周期の段階のうち、G染色法において染色体を観察するのに適しているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
G染色法を用いた染色体分析では、染色体が最も凝縮し、個々の形態が明瞭に識別できる中期核板の染色体が最適です。中期では、染色体が細胞の赤道面に整列し、特徴的なGバンドパターンが最も鮮明に観察できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 間期はDNA複製や細胞成長が行われる期間であり、染色体は凝縮度が低く、核内で分散した状態(クロマチン)であるため、個々の染色体を観察したりGバンドパターンを分析したりするのには適していません。正しくは:染色体が最も凝縮し、構造が明瞭に見える中期が適しています。選びやすい理由:細胞の大部分の時間を占める期間であるため、何らかの観察に適していると誤解される可能性があります。混同注意:DNA複製(S期)や細胞成長(G1期、G2期)が行われる時期ですが、染色体構造の観察とは目的が異なります。
- 2. 前期には染色体の凝縮が始まり、核膜が消失し始めますが、まだ完全に凝縮して整列しているわけではありません。そのため、染色体の形態が不明瞭で、Gバンドの解析には不向きです。正しくは:染色体が最も凝縮し、赤道面に整列する中期が観察に適しています。選びやすい理由:染色体が凝縮し始める時期であるため、観察が可能と誤解されることがあります。混同注意:前期は染色体凝縮の初期段階であり、観察に適した中期と混同されやすいです。
- 3. 正解。中期は、染色体が最も高度に凝縮し、かつ細胞の赤道面に整然と配列する時期です。この時期の染色体は太く短くなり、光学顕微鏡で個々の染色体を識別しやすく、G染色法によるバンドパターン解析に最適な形態と位置をとります。
- 4. 後期には姉妹染色分体が分離し、それぞれが異なる極へと移動を始めます。このため、染色体は分散しており、個々の染色体を明瞭に観察したり、Gバンドパターンを正確に解析したりするのには適していません。正しくは:染色体が凝縮し、赤道面に整列する中期が観察に適しています。選びやすい理由:染色体の動きが活発な時期ですが、観察の目的は静止した状態での詳細な構造解析です。混同注意:中期から分離・移動が始まる時期であり、染色体が整列している中期と混同されることがあります。
- 5. 終期には、細胞の両極に到達した染色体が脱凝縮を始め、核膜が再形成されます。この時期の染色体は形態が曖昧になり、個別の識別やGバンド解析には全く適していません。正しくは:染色体が最も凝縮し、構造が明瞭に見える中期が適しています。選びやすい理由:細胞分裂が完了する重要な段階ですが、染色体構造の観察には不向きです。混同注意:核膜形成や脱凝縮が進行するため、染色体構造を観察する中期とは全く異なります。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、細胞周期の各段階で起こる主要な現象と、それらが検査や診断にどう関連するかを問う問題が頻出します。特に染色体検査において、どの時期の細胞を用いるべきかは基本的な知識として重要です。
混同注意
前期は染色体の凝縮が始まる時期ですが、まだ十分な凝縮と整列がないため、中期と混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、染色体異常の検査における標本作製や観察時の注意点、あるいはFISH法などの他の染色体解析手法と細胞周期との関連について問われる可能性があります。
関連知識
細胞周期のG1期、S期、G2期、M期のそれぞれの特徴と、細胞分裂における前期、中期、後期、終期の主要なイベントを理解しておくことが重要です。特に細胞遺伝学検査では、中期分裂像の観察が必須となります。