夕食にしめ鯖を摂取後、深夜に激烈な腹痛を訴えた。上部消化管の内視鏡像(別冊No. 1)を別に示す。この寄生虫について正しいのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
アニサキス幼虫は低温に弱く、-20℃で24時間以上冷凍保存することで死滅します。これは、アニサキス症の予防策として食品衛生法でも定められている重要な知識です。
選択肢ごとの解説
- 1. アニサキス症の病変は、胃だけでなく腸管にも発生する可能性があります。特に小腸に寄生することもあります。正しくは:病変は胃だけでなく、腸管にも発生する可能性がある。選びやすい理由:多くの場合、胃アニサキス症として診断されるため、胃に限定されるという誤解が生じやすい。混同注意:胃アニサキス症の頻度が高いことと、胃のみに病変があることを混同しやすい。
- 2. アニサキスは主に海産魚介類に寄生します。生の牛肉から感染することはありません。正しくは:生の魚介類(サバ、イカなど)の摂取で感染する。選びやすい理由:他の寄生虫(例:有鉤条虫、無鉤条虫)は生の牛肉や豚肉から感染するため、寄生虫感染全般の知識と混同しやすい。混同注意:寄生虫感染源としての生肉一般と、アニサキス特定の感染源を混同しやすい。
- 3. アニサキスの終宿主はクジラやイルカなどの海洋哺乳類です。ヒトは偶発的な宿主であり、幼虫が成熟することはありません。正しくは:ヒトは偶発宿主であり、終宿主ではない。選びやすい理由:ヒトに症状を引き起こすため、ヒトが終宿主であると誤解しやすい。混同注意:症状を発症する宿主(中間宿主・偶発宿主)と、寄生虫が性成熟する宿主(終宿主)を混同しやすい。
- 4. 正解。アニサキス幼虫は、-20℃で24時間以上冷凍するか、60℃で1分以上加熱することで死滅します。これはアニサキス症の予防策として推奨されています。選びやすい理由:低温保存は一般的に菌の増殖を抑えるイメージがあるため、寄生虫の死滅にも効果的であると理解しやすい。
- 5. アニサキス症に対する特異的な抗寄生虫薬は存在しません。治療は主に内視鏡による虫体の摘出です。正しくは:特異的な抗寄生虫薬は存在せず、内視鏡による虫体摘出が主な治療法である。選びやすい理由:他の寄生虫疾患では抗寄生虫薬が有効なものが多いため、アニサキス症でも薬があると推測しやすい。混同注意:一般的な寄生虫治療とアニサキス症の治療を混同しやすい。
国試ポイント
アニサキス症の感染経路、症状、予防法、治療法に関する基本的な知識が問われています。特に、加熱や冷凍による虫体の死滅温度・時間が頻出です。
混同注意
他の寄生虫(例:日本住血吸虫、条虫類)の感染源、終宿主、治療法との区別。アニサキスは海産魚介類に特化し、ヒトでは幼虫のまま寄生する点が特徴です。
次に同じ論点が出たら
今後、アニサキスに関する問題が出題された場合、症状や内視鏡所見から診断を確定し、さらに予防法や治療法について正確に判断できるかが問われるでしょう。特に、予防のための具体的な温度や時間、そして内視鏡的摘出が唯一の確実な治療法である点を覚えているかが重要です。
関連知識
アニサキス症の臨床症状(食後数時間以内の激しい腹痛、嘔吐)、診断法(内視鏡検査による虫体確認)、病理学的特徴(好酸球性肉芽腫)についても関連知識として押さえておく必要があります。