類上皮細胞肉芽腫を形成する疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
サルコイドーシスは、全身の様々な臓器に非乾酪性(壊死を伴わない)の類上皮細胞肉芽腫が形成されることを特徴とする疾患です。この肉芽腫は、活性化されたマクロファージ(類上皮細胞)が中心となり、その周囲をリンパ球などが取り囲む構造をしています。この病理学的特徴は、サルコイドーシスの診断において非常に重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 化膿性肺炎は主に細菌感染により引き起こされ、好中球の浸潤と組織の壊死(膿瘍形成)が特徴です。類上皮細胞肉芽腫は形成されません。正しくは:類上皮細胞肉芽腫は形成しません。選びやすい理由:肺炎という一般的な肺疾患であり、他の肺に関連する病態と混同しやすいかもしれません。混同注意:結核性肺炎(肉芽腫性炎症を伴う)と混同する可能性がありますが、病理学的な特徴は異なります。
- 2. 間質性肺炎は肺胞壁の間質組織に炎症と線維化が起こる疾患であり、炎症性細胞の浸潤や線維芽細胞の増殖が見られますが、類上皮細胞肉芽腫を典型的に形成することはありません。正しくは:類上皮細胞肉芽腫は形成しません。選びやすい理由:肺の病気であるため、サルコイドーシス(肺病変が多い)と関連付けて考えてしまうかもしれません。混同注意:他の肉芽腫性肺疾患(例: サルコイドーシス、結核)と混同しやすいですが、病理像が異なります。
- 3. 偽膜性腸炎はクロストリディオイデス・ディフィシル菌感染により引き起こされる急性腸炎で、腸粘膜表面にフィブリンや壊死組織、炎症細胞からなる偽膜が形成されるのが特徴であり、肉芽腫は形成しません。正しくは:類上皮細胞肉芽腫は形成しません。選びやすい理由:炎症性腸疾患の一つであるため、クローン病(肉芽腫性炎症を伴うことがある)と混同する可能性があります。混同注意:クローン病(肉芽腫性腸炎)と混同しやすいですが、偽膜性腸炎は異なる病態です。
- 4. 正解。サルコイドーシスは全身性の肉芽腫性疾患であり、肺、リンパ節、皮膚、眼など様々な臓器に、非乾酪性(壊死を伴わない)の類上皮細胞肉芽腫が形成されることが病理学的な最大の特徴です。
- 5. 線維素性心外膜炎は心外膜にフィブリン(線維素)が沈着し、炎症細胞の浸潤を伴う炎症で、肉芽腫は形成しません。心筋梗塞や尿毒症、膠原病など様々な原因で起こります。正しくは:類上皮細胞肉芽腫は形成しません。選びやすい理由:「炎症」という言葉から、肉芽腫性炎症の一種と誤解する可能性があります。混同注意:リウマチ熱によるアショフ結節のような心臓の肉芽腫性病変と混同する可能性がありますが、病理像は異なります。
国試ポイント
病理組織学的な特徴(特に類上皮細胞肉芽腫の有無や性状、乾酪性の有無など)から、関連する疾患を正確に判断する知識が問われます。肉芽腫性疾患の代表的なものと、それぞれの病理像を理解していることが重要です。
混同注意
類上皮細胞肉芽腫を形成する他の疾患、例えば結核症(乾酪性壊死を伴う肉芽腫)、クローン病(非乾酪性肉芽腫)、異物肉芽腫、真菌感染症などとの鑑別が重要です。サルコイドーシスは「非乾酪性」である点が鑑別のポイントとなります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、単に肉芽腫の有無だけでなく、「非乾酪性肉芽腫」や「乾酪性肉芽腫」といった詳細な病理学的特徴、あるいは病変がどの臓器に好発するかという臨床情報と関連付けて疾患を判別できるかどうかが問われる可能性があります。また、類上皮細胞以外の細胞成分(ランゲルハンス巨細胞など)にも注意が必要です。
関連知識
肉芽腫性炎症を引き起こす主な疾患には、結核、サルコイドーシス、クローン病、梅毒、真菌症、異物肉芽腫などがあります。類上皮細胞はマクロファージが活性化し集合したもので、肉芽腫の中心を構成します。乾酪性壊死は結核に特徴的な壊死であり、サルコイドーシスでは通常見られません。各疾患の病理学的特徴を詳細に理解しておくことが求められます。