H-E染色標本(別冊No. 10)を別に示す。矢印で示すのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
矢印の指す構造は、厚い平滑筋層を持つ円形の血管で、その内腔は比較的小さいです。この特徴は肺動脈に典型的であり、周囲の肺胞組織との関係性からも動脈と判断できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 神経組織は通常、神経細胞体や神経線維の束として観察され、画像のような厚い円形の血管壁とは構造が異なります。正しくは:神経は神経細胞体や神経線維の束として観察されます。選びやすい理由:肺組織内に様々な構造があるため、特定の組織を識別できない場合に選択肢の一つとして選びやすい可能性があります。混同注意:血管以外の線維性の構造と誤認する可能性。
- 2. 正解。矢印の指す構造は、厚い平滑筋層を持つ円形の血管であり、この特徴は動脈に合致します。選びやすい理由:動脈は肺組織において主要な血管構造の一つであり、その組織学的特徴を理解していれば正しく判断できます。混同注意:静脈や細気管支と混同する可能性はありますが、壁の厚さや形状が異なります。
- 3. 肺胞は薄い隔壁で区切られた多数の小さな空洞として観察され、矢印の指す構造のような管状で厚い壁を持つ構造とは明らかに異なります。正しくは:肺胞は薄い隔壁で区切られた多数の小さな空洞です。選びやすい理由:画像には多くの肺胞が見えるため、全体的な印象で選びやすいかもしれませんが、矢印が指す特定の部分は肺胞ではありません。混同注意:周囲の肺胞と、矢印が指す構造を混同する可能性。
- 4. 気管支には軟骨組織や粘液腺、線毛上皮といった特徴的な構造が見られますが、矢印の構造にはそれらが認められず、厚い筋層を持つ血管の構造を示しています。正しくは:気管支には軟骨、粘液腺、線毛上皮などの特徴的な構造があります。選びやすい理由:気管支も肺組織内に存在する管状構造であるため、血管と混同しやすいですが、組織学的特徴が異なります。混同注意:血管と気管支は共に肺内の管状構造であるため、よく混同されますが、気管支には軟骨組織や線毛上皮が見られます。
- 5. リンパ管は通常、非常に薄い壁を持ち、不整な形状で、弁構造が見られることがあります。画像のような厚い筋層を持つ円形の構造とは異なります。正しくは:リンパ管は非常に薄い壁を持つ不整な形状の管で、弁構造が見られることがあります。選びやすい理由:血管以外の体液を運ぶ管状構造として、リンパ管を想起するかもしれませんが、その組織学的特徴は異なります。混同注意:静脈や毛細血管など、壁の薄い血管と混同する可能性。
国試ポイント
H-E染色標本における各組織の構造的特徴を識別すること、特に肺組織内の血管と気管支の鑑別。
混同注意
動脈と静脈、または動脈と気管支は混同しやすいですが、動脈は厚い筋層を持つ円形構造であるのに対し、静脈は薄い壁で不整な形状、気管支は軟骨や腺構造を伴います。
次に同じ論点が出たら
同様の画像問題では、血管壁の厚さ、内腔の形状、周囲の組織構造(軟骨の有無、腺構造の有無など)に注目して判断します。
関連知識
肺組織のH-E染色では、肺胞は薄い隔壁で囲まれた空洞として、気管支は軟骨片や腺、線毛上皮を持つ構造として観察されます。肺動脈は気管支に伴走し、肺静脈はそれらから離れて走行することが多いです。