超音波検査に用いる超音波の性質について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
超音波は周波数が高いほど減衰しやすく、生体深部への透過性が低下します。しかし、波長が短くなるため分解能は向上します。また、超音波が異なる媒質間を伝播する際、媒質の音響インピーダンスの差が大きいほど境界面での反射が強くなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。超音波は媒質を伝播する際にエネルギーを失い減衰します。周波数が高いほど、単位時間あたりの振動回数が多くなり、媒質との相互作用が増加するため減衰しやすくなります。選びやすい理由:高い周波数の超音波は、波長が短いため分解能が良いという利点がある一方で、減衰しやすいという欠点も持つ。この両面を理解していないと誤解しやすい。混同注意:高い周波数は減衰しやすいが、分解能は高くなるという点で混同しやすい。
- 2. 周波数が高いほど、超音波は減衰しやすくなるため、生体内深部への到達度が低下し、透過性は悪くなります。正しくは:周波数が低いほど、組織の透過性は良好になります。選びやすい理由:分解能が良いと透過性も良いと誤解することがある。混同注意:高周波は分解能が良いが、透過性は悪い。低周波は透過性が良いが、分解能が悪いという関係性を理解する必要がある。
- 3. 周波数が高いほど、波長が短くなるため、より小さな構造を識別できるようになり、分解能は高くなります。分解能が低いのは周波数が低い場合です。正しくは:高い周波数ほど、得られる画像の分解能は高くなります。選びやすい理由:減衰しやすいという欠点から、分解能も劣ると誤解することがある。混同注意:減衰と分解能の関係を混同しやすい。高周波は減衰しやすいが分解能は高い。
- 4. 超音波の音速は、媒質の密度や弾性率によって異なり、臓器や組織の種類によって変動します。例えば、空気中では遅く、骨中では速いといった特性があります。正しくは:音速は臓器や組織の種類によって異なります。選びやすい理由:超音波診断装置が基本的に一定の音速(例: 1540 m/s)を仮定して距離を算出するため、実際の生体内でも一定であると誤解することがある。混同注意:装置の計算上の仮定音速と、実際の生体組織における物理的な音速を混同しやすい。
- 5. 正解。音響インピーダンスの差が大きいほど、超音波が異なる媒質の境界面で反射する割合が増加します。この原理は、骨や空気など音響インピーダンスが大きく異なる部位での強い反射として現れます。選びやすい理由:反射が強いと画像が乱れるというネガティブな側面と混同し、反射が弱い方が良いと誤解することがある。混同注意:音響インピーダンスの差が大きいと反射が強くなることは、超音波診断の基本的な物理原理の一つであり、アーチファクトの原因にもなる。
国試ポイント
超音波の周波数と減衰、透過性、分解能の関係、および音響インピーダンスと反射の関係は、超音波検査の基礎物理学における重要事項です。これらの基本的な特性を理解しているかどうかが問われます。
混同注意
高周波数の超音波が持つ「減衰しやすい」という欠点と「分解能が高い」という利点を混同しやすい。また、音響インピーダンスの差による反射が、画像形成に不可欠な一方で、アーチファクトの原因にもなることを理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
音響インピーダンスの差を利用した検査技術(例: ドプラ法)や、減衰を利用した組織性状評価など、超音波の物理的特性が臨床応用でどのように利用されているかを考察する問題に進む可能性があります。
関連知識
超音波の音速は媒質によって異なり、空気 < 水 < 軟部組織 < 骨 の順に速くなります。超音波診断装置では、通常、軟部組織の平均音速(約1540m/s)を仮定して距離を計算しています。