ABO血液型抗原で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ABO血液型を規定する遺伝子は、第9染色体の長腕に存在します。これはABO血液型システムの基本的な遺伝学的事実です。
選択肢ごとの解説
- 1. ABO血液型抗原は赤血球膜上だけでなく、唾液や消化液、その他多くの細胞の膜上にも分泌型物質として存在します。正しくは:ABO血液型抗原の発現は、赤血球膜上だけでなく、体液中や他の組織細胞にも見られます。選びやすい理由:「血液型」という言葉から、赤血球に特化したものであるという印象を受けやすいため。混同注意:赤血球上の抗原が主要な役割を果たすため、その存在が赤血球に限定されると誤解されやすい。
- 2. 正解。ABO式血液型を決定する遺伝子は、第9染色体の長腕に存在することが知られています。
- 3. 新生児のABO抗原発現量は成人よりも少ないです。発現量は生後数年で成人のレベルに達します。正しくは:A型抗原の表現量は、新生児よりも成人の方が豊富です。選びやすい理由:新生児の免疫学的特徴に関する知識と混同しやすい。混同注意:他の免疫グロブリンや補体の新生児期の動態と混同する可能性。ABO抗原は生後発達する。
- 4. A遺伝子とB遺伝子は互いに優性・劣性の関係ではなく、共優性(codominant)の関係にあります。O遺伝子に対してはA遺伝子、B遺伝子ともに優性です。正しくは:A遺伝子とB遺伝子は互いに共優性です。選びやすい理由:遺伝学における優性・劣性の概念は頻繁に出題されるため、知識を適用しようとする。混同注意:O遺伝子に対するA・B遺伝子の優性と、AとBの間の関係を混同しやすい。
- 5. B型抗原は、H抗原にD-ガラクトースが結合して形成されます。N-アセチルガラクトサミンが結合するのはA型抗原です。正しくは:B型抗原はD-ガラクトースと結合しています。選びやすい理由:糖鎖の名前を覚えていると、正しい組み合わせを誤解しやすい。混同注意:A型抗原の構成糖であるN-アセチルガラクトサミンと、B型抗原の構成糖であるD-ガラクトースを混同しやすい。
国試ポイント
ABO血液型抗原の基本的な性質(遺伝子の位置、発現部位、発現量、遺伝形式、抗原構造)を正確に理解しているかを問う問題です。各選択肢が示す情報が正しいか否かを判断する知識が求められます。
混同注意
各血液型抗原を構成する糖の種類、遺伝子の優劣関係、抗原の発現部位と発現量の変化は、特に混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次回同様の論点が問われた場合、ABO抗原の生合成経路、H抗原との関連、分泌型と非分泌型の違い、各血液型抗原に特異的な糖鎖構造、新生児期と成人期の抗原発現量の比較、遺伝子型と表現型の関係に注目して解答を導きます。
関連知識
H抗原の構造と役割、Bombay型、血液型不適合輸血の機序、ABO血液型以外の主要な血液型システムの概要。