急性B型肝炎の自然経過における各マーカー相対量の推移(別冊No. 16)を別に示す。HBs抗体はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
HBs抗体は、急性B型肝炎からの回復期にHBs抗原が消失した後に産生される抗体です。これはウイルスに対する免疫を獲得したことを意味し、再感染を防ぐ効果があります。図中でHBs抗原(a)が陰性化した後に上昇し、長期にわたって検出される曲線eがHBs抗体に該当します。
選択肢ごとの解説
- 1. 曲線aはHBs抗原(HBsAg)を示しています。急性B型肝炎の初期に陽性となり、回復期には陰性化します。正しくは:HBs抗体は、HBs抗原が消失した後に上昇し、感染防御と免疫の獲得を示します。選びやすい理由:HBs抗原とHBs抗体は対になるマーカーであるため、混同しやすいです。混同注意:HBe抗原やHBe抗体、HBc抗体など、他のB型肝炎ウイルスマーカーと混同しやすいです。
- 2. 曲線bはHBe抗原(HBeAg)を示しています。急性期に陽性となり、ウイルス増殖能の指標となります。正しくは:HBs抗体は感染回復後に長期にわたって検出され、再感染を防ぐ役割を果たします。選びやすい理由:HBe抗原はHBs抗原と同様に急性期に陽性となるため、感染初期のマーカーとして選択肢に入りやすいです。混同注意:HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体(IgM、IgG)など、他のマーカーと時系列を混同しやすいです。
- 3. 曲線cはIgM型のHBc抗体(IgM-HBc)を示しています。急性B型肝炎の診断に非常に重要で、感染初期から一過性に上昇します。正しくは:HBs抗体はウイルス排除後に産生される抗体で、免疫の指標です。選びやすい理由:急性期の診断に重要なマーカーであるため、グラフの変動に注目しがちですが、HBs抗体ではありません。混同注意:IgG型のHBc抗体や、他の急性期マーカーと混同しやすいです。
- 4. 曲線dはHBe抗体(HBeAb)を示しています。HBe抗原が陰性化した後に上昇し、ウイルス増殖能の低下を示唆します。正しくは:HBs抗体は感染回復期に上昇し、長期にわたり陽性を示します。選びやすい理由:抗体であるためHBs抗体と混同しやすいですが、HBe抗体はHBe抗原の陰性化後に上昇するマーカーです。混同注意:HBs抗体だけでなく、他の様々な抗体マーカーと混同しやすいです。
- 5. 正解。曲線eはHBs抗体(HBsAb)を示しています。急性B型肝炎では、HBs抗原が陰性化した後(回復期)に上昇し始め、感染からの回復と免疫の獲得を示すマーカーです。多くの場合、生涯にわたって持続します。正しくは:正しい選択肢です。
国試ポイント
B型肝炎の急性感染における各種ウイルスマーカー(HBs抗原、HBe抗原、HBc抗体IgM、HBe抗体、HBs抗体)の変動パターンと、それぞれのマーカーが示す臨床的意義を理解しているかが問われます。特に、HBs抗原とHBs抗体の出現・消失のタイミングは重要です。
混同注意
HBs抗原(HBsAg)とHBs抗体(HBsAb)は、その名称の類似性から混同しやすいですが、前者はウイルスの存在を示し、後者は免疫の獲得を示すという全く異なる意味を持ちます。また、HBc抗体IgMは急性期診断に重要ですが、HBs抗体とは上昇時期と臨床的意義が異なります。
次に同じ論点が出たら
今後、B型肝炎のウイルスマーカーの問題が出題された場合、各マーカーの時系列での変動パターン(いつ陽性になり、いつ陰性化するか)と、それぞれのマーカーがどのような臨床的状態を示すのか(例: ウイルス増殖、感染防御、既往感染など)を正確に判断できるかどうかがポイントになります。特にHBs抗原、HBs抗体、HBc抗体IgMの組み合わせは頻出です。
関連知識
B型肝炎ウイルスのマーカーには、HBs抗原、HBs抗体、HBe抗原、HBe抗体、HBc抗体(IgM、IgG)があります。それぞれのマーカーの組み合わせと変動パターンによって、急性感染、慢性感染、既往感染、ワクチンによる免疫などを鑑別できます。HBs抗体が陽性であれば、B型肝炎ウイルスに対する免疫があることを意味し、ワクチン接種後も陽性となります。