生体内で炎症時に減少する蛋白質成分はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
炎症反応時には、生体防御のために特定のタンパク質が変動します。一般的に「急性期タンパク質」と呼ばれる多くのタンパク質(α1-アンチトリプシン、α1-酸性糖蛋白、ハプトグロビン、フィブリノゲンなど)は炎症時に血中濃度が増加します。これに対し、トランスフェリンやアルブミンなどは「ネガティブ急性期タンパク質(負の急性期タンパク質)」と呼ばれ、炎症時に血中濃度が減少します。トランスフェリンの減少は、炎症時に細菌などが鉄を利用して増殖するのを防ぐ目的があると考えられています。
選択肢ごとの解説
- 1. α1-アンチトリプシンは急性期タンパク質であり、炎症時に血中濃度が増加します。プロテアーゼ活性を抑制し、組織損傷を防ぐ役割があります。正しくは:炎症時には血中濃度が増加する。選びやすい理由:炎症に関わるタンパク質として認識されやすいため。混同注意:急性期タンパク質であることと、その機能が混同されやすい。
- 2. α1-酸性糖蛋白は急性期タンパク質であり、炎症時に血中濃度が増加します。炎症反応の調節や薬物結合に関与します。正しくは:炎症時には血中濃度が増加する。選びやすい理由:炎症に関わるタンパク質として認識されやすいため。混同注意:急性期タンパク質であることと、その機能が混同されやすい。
- 3. ハプトグロビンは急性期タンパク質であり、炎症時に血中濃度が増加します。ヘモグロビンと結合して腎臓からの排泄を防ぎ、鉄の再利用を促進します。正しくは:炎症時には血中濃度が増加する。選びやすい理由:炎症に関わるタンパク質として認識されやすいため。混同注意:急性期タンパク質であることと、その機能が混同されやすい。
- 4. 正解。トランスフェリンはネガティブ急性期タンパク質(負の急性期タンパク質)であり、炎症時には体内の鉄利用を抑制するために血中濃度が減少します。これは細菌などの増殖に必要な鉄を供給させないことで、感染拡大を防ぐ生体防御反応の一部です。正しくは:この選択肢は正しい。選びやすい理由:炎症時に血中濃度が変化するタンパク質の中で、減少するものとして正しく選べるかどうかが問われる。混同注意:他の急性期タンパク質(増加するもの)との区別がつきにくい。
- 5. フィブリノゲンは急性期タンパク質であり、炎症時に血中濃度が増加します。これは血液凝固や炎症部位での組織修復に関与するためです。正しくは:炎症時には血中濃度が増加する。選びやすい理由:血液凝固や炎症に関わる重要なタンパク質であるため。混同注意:急性期タンパク質であることと、その機能が混同されやすい。
国試ポイント
本問題は、炎症時に血中濃度が変動するタンパク質について、特に『減少するタンパク質(ネガティブ急性期タンパク質)』を正確に識別できるかを問うています。多くの急性期タンパク質は増加するため、減少するものに焦点を当てる知識が重要です。
混同注意
陽性急性期タンパク質(炎症時に増加するもの)と陰性急性期タンパク質(炎症時に減少するもの)の区別。特に、具体的なタンパク質の名前とその変動方向の対応付け。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出た場合、まず設問が「増加するタンパク質」を問うているのか「減少するタンパク質」を問うているのかを確認し、それぞれの代表的なタンパク質を想起することが重要です。
関連知識
急性期タンパク質の例とその機能(CRP、ハプトグロビン、フィブリノゲン、α1-アンチトリプシンなど)。ネガティブ急性期タンパク質の例とその機能(トランスフェリン、アルブミン、プレアルブミンなど)。炎症性サイトカイン(IL-1, IL-6, TNF-α)による急性期タンパク質産生誘導のメカニズム。