Streptococcus pyogenesで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Streptococcus pyogenesは、Lancefield分類のA群に属する細菌であり、これはその病原性や治療法を理解する上で非常に重要な特徴です。他の選択肢は、バシトラシン感受性、カタラーゼ陰性、β溶血性、PYR陽性といったStreptococcus pyogenesの正しい性状と異なっており、誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. Streptococcus pyogenesは、他の多くのβ溶血性レンサ球菌と異なり、バシトラシンに感受性を示します。この性質は、鑑別診断において重要な指標となります。正しくは:バシトラシンに感受性を示す。選びやすい理由:バシトラシン感受性試験が溶連菌の鑑別に頻繁に用いられるため、その結果(感受性か耐性か)を混同しやすいです。混同注意:バシトラシン耐性の非A群β溶血性レンサ球菌(例: Streptococcus agalactiaeの一部)と混同しやすいです。
- 2. Streptococcus属の細菌は、一般的にカタラーゼ試験で陰性となります。カタラーゼ陽性はブドウ球菌(Staphylococcus属)の特徴です。正しくは:カタラーゼ試験で陰性となる。選びやすい理由:グラム陽性球菌の主要な鑑別点としてカタラーゼ試験が非常に重要であるため、その結果を誤って覚えてしまうことがあります。混同注意:Staphylococcus属の細菌(カタラーゼ陽性)と混同しやすいです。
- 3. Streptococcus pyogenesは、血液寒天培地において赤血球を完全に溶かすβ溶血性のコロニーを形成します。α溶血は、赤血球を部分的に溶かして緑色に変色させるものです。正しくは:血液寒天培地でβ溶血性のコロニーを形成する。選びやすい理由:溶血性はレンサ球菌の鑑別において非常に重要な特徴ですが、α、β、γ溶血の区別を正確に把握していないと間違えやすいです。混同注意:Streptococcus pneumoniaeや緑膿菌群(Viridans streptococci)など、α溶血を示す他のレンサ球菌と混同しやすいです。
- 4. 正解。Streptococcus pyogenesは、細胞壁にA群多糖体を持つため、Lancefield分類においてA群に分類されます。これは本菌の最も基本的な特徴であり、一般的にA群β溶血性レンサ球菌(GAS)とも呼ばれます。
- 5. Streptococcus pyogenesは、PYR試験において陽性となります。この酵素活性は、A群レンサ球菌および腸球菌の鑑別に利用されます。正しくは:ピロリドニルアリルアミダーゼ(PYR)試験が陽性である。選びやすい理由:PYR試験はA群レンサ球菌とD群腸球菌(Enterococcus)の鑑別や、他のβ溶血性レンサ球菌との鑑別に用いられる重要な試験ですが、陰性か陽性かを混同しやすいです。混同注意:PYR陰性のレンサ球菌(例: Streptococcus agalactiae、Streptococcus dysgalactiae)と混同しやすいです。
国試ポイント
化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)の基本的な微生物学的性状(溶血性、Lancefield分類、生化学的性状、感受性)が正しく理解されているかを問う問題です。特に、鑑別診断に用いられる主要な試験の結果は必須知識です。
混同注意
カタラーゼ試験の陽性・陰性(ブドウ球菌とレンサ球菌)、溶血性の種類(α、β、γ)、バシトラシン感受性、PYR試験の結果(他のレンサ球菌や腸球菌との区別)などが混同されやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が問われた場合は、他の重要なレンサ球菌(例:S. agalactiae, S. pneumoniae, Enterococcus spp.)の鑑別点(Lancefield群、溶血性、バシトラシン感受性、PYR試験、CAMP試験など)も正確に区別できるかを確認しましょう。
関連知識
Streptococcus pyogenesは、咽頭炎、扁桃炎、猩紅熱、丹毒などの感染症を引き起こし、重篤な合併症として急性糸球体腎炎やリウマチ熱を発症する可能性があるため、その性状の理解は臨床上非常に重要です。Mタンパク質や溶血毒素などの病原性因子についても関連知識として押さえておくべきです。