プラスミドで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
プラスミドは、細菌の細胞質に存在する染色体とは別の小さな環状DNAで、自身の複製起点を持つことで独立して複製できます。多くのプラスミドは、性線毛(F pili)を介した細菌の接合によって、ドナー菌からレシピエント菌へと伝達され、遺伝情報の水平伝播に寄与します。特に、抗生物質耐性遺伝子などの重要な遺伝子を運ぶことが知られています。
選択肢ごとの解説
- 1. ウイルスは自身のゲノムを持つか、宿主の遺伝子を利用しますが、プラスミドを保有することはありません。プラスミドは主に細菌や酵母などの細胞質に存在するDNAです。正しくは:プラスミドは主に細菌が保有する環状DNAです。選びやすい理由:遺伝因子という言葉で、何らかの生物に属する遺伝物質と漠然と捉えてしまう可能性があります。混同注意:ウイルスゲノムや、ウイルスが宿主細胞に感染した際に持ち込む遺伝物質と混同する可能性があります。
- 2. プラスミドは、通常、二本鎖の環状DNAです。RNAではありません。正しくは:プラスミドは、通常、二本鎖の環状DNAです。選びやすい理由:RNAとDNAの構造の違いや、一本鎖と二本鎖の違いについて曖昧な知識がある場合、選びやすいかもしれません。混同注意:ウイルスゲノムの一部がRNAであることや、mRNAなどの一本鎖RNAと混同する可能性があります。
- 3. 正解。プラスミドは、細菌の接合によって、ドナー菌からレセプター菌へ伝達されることがあります。これにより、抗生物質耐性遺伝子などが拡散します。正しくは:この記述は正しいです。
- 4. プラスミドは、細胞の染色体とは別に、細胞質内に独立して存在する環状DNAです。染色体の中に常時含まれるわけではありません。正しくは:プラスミドは、細胞の染色体とは別に細胞質内に独立して存在する遺伝因子です。選びやすい理由:染色体も遺伝因子であるため、混同しやすいかもしれません。しかしプラスミドは染色体DNAとは区別されるべきです。混同注意:細菌の主要なゲノムである染色体DNAや、染色体DNAに組み込まれることがあるトランスポゾンなどと混同する可能性があります。
- 5. ゲノム上を移動できる塩基配列はトランスポゾン(転移因子)の特性であり、プラスミドの特性ではありません。プラスミドは細胞質内で独立して複製されます。正しくは:ゲノム上を移動できる塩基配列はトランスポゾンです。選びやすい理由:遺伝物質が動くという概念が共通しているため、知識が不正確だと選びやすいかもしれません。混同注意:トランスポゾン(転移因子)と混同する可能性があります。
国試ポイント
プラスミドの基本的な性質(形状、存在場所、伝達方法、主な機能)について問われています。特に、染色体との区別、二本鎖環状DNAであること、接合による伝達が重要です。
混同注意
細菌の染色体DNA、ウイルスゲノム、トランスポゾン、一本鎖RNAなど、他の核酸や遺伝因子との区別が曖昧だと誤答しやすいです。
次に同じ論点が出たら
プラスミドの構造、機能、そして細菌の接合による伝達という、複数の側面から基本的な知識が問われる傾向があります。次回もこれらのキーワードに着目して選択肢を評価する必要があります。
関連知識
プラスミドは遺伝子工学においてベクターとして利用されることが多く、その特性を理解することは基礎的な知識です。抗生物質耐性遺伝子の伝播メカニズムとしても重要です。