気管支擦過のPapanicolaou染色標本(別冊No. 6)を別に示す。細胞はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
下図の細胞は、細胞の頂端部に線毛構造が明瞭に観察され、細胞の形態も円柱状を呈しています。核は細胞の基底側に位置し、クロマチンは細かく均一です。これらの特徴は、正常な気管支擦過検体で通常見られる線毛円柱上皮細胞に完全に一致します。悪性所見は認められません。
選択肢ごとの解説
- 1. この細胞は核が小さく、細胞質は線毛を持たない丸みを帯びた形状をしています。扁平上皮細胞は通常、細胞質が広く平坦で、核も扁平な形状をしています。正しくは:扁平上皮細胞は、扁平で多角形の細胞質と、比較的小さな中心性核を持つ細胞として観察されます。選びやすい理由:上皮細胞の一種であるため、他の上皮細胞と混同する可能性があります。混同注意:基底細胞や他の非腫瘍性上皮細胞。
- 2. 正解。提示された画像中の細胞は、卵円形または円柱状の細胞質を持ち、頂端部に規則的な線毛が明瞭に確認できます。核は基底側に位置し、クロマチンは均一で、明瞭な核小体はありません。これらは気管支擦過検体で正常に見られる線毛円柱上皮細胞の特徴です。正しくは:正答のため修正不要。
- 3. 画像中の細胞は核の多形性が少なく、核小体も目立ちません。また、N/C比の増加や異常なクロマチンパターンなどの悪性所見は認められません。腺癌細胞は通常、核の大小不同、クロマチン増量、目立つ核小体、不規則な核膜などを呈します。正しくは:腺癌細胞は、核の多形性、クロマチン増量、目立つ核小体、細胞質の空胞化などの悪性所見を示すのが特徴です。選びやすい理由:気管支由来の細胞であるため、癌細胞の可能性も考えがちですが、悪性所見はありません。混同注意:異型を伴う反応性腺細胞。
- 4. 画像中の細胞は、小細胞癌細胞の特徴である小型でN/C比の高い細胞、微細顆粒状クロマチン、核の圧潰やモルディング現象を示していません。小細胞癌細胞は通常、リンパ球よりもやや大きい程度の非常に小さな細胞で、核小体は不明瞭です。正しくは:小細胞癌細胞は、小型でN/C比が高く、核は微細顆粒状クロマチンを示し、核小体が不明瞭で、核のモルディングが特徴的です。選びやすい理由:肺癌の一種であるため、これも選択肢として頭をよぎるかもしれません。混同注意:リンパ球や基底細胞。
- 5. 画像中の細胞は、扁平上皮癌細胞に特徴的な核の多形性、不整な核膜、増大したN/C比、クロマチン増量、核小体の明瞭化、角化、あるいは封入体様の細胞質構造などの悪性所見を呈していません。正しくは:扁平上皮癌細胞は、核の大小不同や不整、クロマチン増量、目立つ核小体、そして細胞質の角化を示すことがあります。選びやすい理由:これも気管支由来の癌細胞として考えられるため、安易に選択しやすいかもしれません。混同注意:異型を伴う反応性扁平上皮細胞。
国試ポイント
気管支擦過検体における正常な線毛円柱上皮細胞の形態的特徴を正しく識別できるか、および悪性細胞との鑑別ができるかが問われています。線毛の有無、核の形態、N/C比などが重要な判断基準となります。
混同注意
線毛円柱上皮細胞は、反応性の異型を伴う場合や、核が腫大した場合に、非典型的な細胞として誤って判断される可能性があります。また、基底細胞やGoblet細胞など、気管支に存在する他の正常細胞との鑑別も重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合は、まず細胞の全体的な形態(円柱状、扁平状など)を確認し、次に特徴的な構造(線毛、杯状、角化など)の有無を詳細に観察します。核の形態(大小不同、クロマチンパターン、核小体)、N/C比、細胞質の特徴(粘液、ケラチンなど)を総合的に判断し、良悪性の鑑別を行います。
関連知識
気管支粘膜の組織構造、パパニコロウ染色の原理と細胞の染色性、良性細胞と悪性細胞の形態学的鑑別点、特に肺癌(腺癌、扁平上皮癌、小細胞癌など)の細胞診における特徴。