H-E染色標本(別冊No. 7)を別に示す。臓器はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
下図のH-E染色標本では、多数の腺房(外分泌部)と、その間に散在する淡染性の細胞集団(ランゲルハンス島、内分泌部)が特徴的に観察されます。これは膵臓の典型的な組織像です。
選択肢ごとの解説
- 1. 肝臓のH-E染色像では、肝細胞索が中心静脈に向かって放射状に配列し、類洞がみられます。この画像とは組織構造が異なります。正しくは:肝臓であれば、肝小葉構造(中心静脈、肝細胞索、類洞)が観察されます。選びやすい理由:一般的な主要臓器の選択肢として提示されるため、知識があいまいな場合に選びやすいかもしれません。混同注意:他の実質性臓器の組織像と混同しやすいです。
- 2. 腎臓のH-E染色像では、糸球体や尿細管の多様な断面構造が特徴的です。この画像はそれらの構造とは一致しません。正しくは:腎臓であれば、糸球体、近位尿細管、遠位尿細管、集合管などが観察されます。選びやすい理由:消化器系の臓器と並んで主要な臓器であり、鑑別を迫られることが多いです。混同注意:特に尿細管の腺房様構造と、膵臓の腺房を混同する可能性があります。
- 3. 正解。提示された画像には、濃染する腺房細胞が集まって形成される腺房構造と、その間に点在する淡染するランゲルハンス島が確認できます。これらは膵臓の典型的な組織学的特徴です。
- 4. 脾臓のH-E染色像では、赤脾髄と白脾髄(リンパ濾胞)が特徴的に見られます。この画像にある腺房やランゲルハンス島のような構造はありません。正しくは:脾臓であれば、リンパ濾胞(白脾髄)や脾索(赤脾髄)が観察されます。選びやすい理由:リンパ組織や内分泌機能を持つ臓器と混同しやすいかもしれません。混同注意:リンパ組織が豊富な他の臓器(リンパ節、扁桃など)と混同しやすいです。
- 5. 副腎のH-E染色像では、皮質(球状帯、束状帯、網状帯)と髄質が明確に区別され、特に束状帯では脂質に富む細胞が索状に配列します。この画像とは構造が異なります。正しくは:副腎であれば、皮質(球状帯、束状帯、網状帯)と髄質の層構造が見られます。選びやすい理由:内分泌機能を持つ臓器として、ランゲルハンス島と機能を混同してしまいやすいかもしれません。混同注意:内分泌機能を持つ他の臓器(甲状腺、下垂体など)の組織像と混同しやすいです。
国試ポイント
組織学の基本知識として、主要臓器のH-E染色標本を識別できるかどうかが問われています。特に、特徴的な構造(例:膵臓のランゲルハンス島、肝臓の肝小葉、腎臓の糸球体)を確実に識別する能力が重要です。
混同注意
膵臓の腺房構造は唾液腺などの他の腺組織と、ランゲルハンス島は他の内分泌腺と混同される可能性があります。しかし、両者が同時に特徴的に観察されるのは膵臓です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず『全体的な組織パターン(実質と間質、細胞の配列)』を把握し、次に『特徴的な細胞や構造(腺房、ランゲルハンス島、糸球体、肝細胞索、リンパ濾胞など)』を識別します。その上で、最も合致する臓器を選択します。
関連知識
膵臓は外分泌機能(消化酵素の分泌)と内分泌機能(インスリンやグルカゴンなどのホルモン分泌)を併せ持つ臓器であり、その二つの機能に対応する組織構造(腺房とランゲルハンス島)がH-E染色で明瞭に観察できます。各臓器の機能と組織構造の関連を理解しておくことが重要です。