ウイルスで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ウイルスは自律的な代謝機能や増殖能力を持たず、生存・増殖のためには生きた宿主細胞に感染し、その細胞のエネルギーや酵素、タンパク質合成機構などを利用する必要があります。この特性から「偏性細胞内寄生体」と呼ばれます。
選択肢ごとの解説
- 1. ウイルスは細胞構造を持たず、核膜も存在しません。遺伝物質はカプシドと呼ばれるタンパク質の殻に包まれています。正しくは:ウイルスは核膜を持たない。選びやすい理由:真核細胞の特徴である核膜を、ウイルスが何らかの膜構造を持つことと混同しやすいかもしれません。混同注意:細菌や真核細胞が持つ核膜と混同しやすいです。
- 2. ウイルスは細胞ではないため、「単細胞」という表現は不適切です。細胞としての機能を持たず、核や細胞質などの細胞小器官もありません。正しくは:ウイルスは細胞ではない。選びやすい理由:「単細胞生物」という言葉から、単純な構造を持つものとしてウイルスを連想する可能性があります。混同注意:細菌や酵母などの単細胞生物と混同しやすいです。
- 3. 有糸分裂は真核細胞の増殖様式であり、ウイルスは宿主細胞の複製機構を利用して増殖します。自律的な分裂能力はありません。正しくは:ウイルスは宿主細胞内で複製によって増殖する。選びやすい理由:細胞が増えるメカニズムとして有糸分裂が有名であるため、一般的な増殖方法と捉えがちです。混同注意:細胞(真核細胞)の分裂様式である有糸分裂と混同しやすいです。
- 4. プラスミドは主に細菌に見られる環状のDNA分子であり、ウイルスには通常存在しません。ウイルス自身の遺伝情報はゲノムとしてカプシド内に存在します。正しくは:ウイルスはプラスミドを持たない。選びやすい理由:ウイルスも遺伝子を持つため、細菌の遺伝子要素であるプラスミドと関連付けてしまうかもしれません。混同注意:細菌の遺伝要素であるプラスミドと混同しやすいです。
- 5. 正解。ウイルスは宿主細胞の生合成系(タンパク質合成系など)を利用しなければ増殖できないため、必ず生きた細胞内でしか増殖できない「偏性細胞内寄生体」として分類されます。選びやすい理由:この用語はウイルスの本質をよく表しており、微生物学の基礎知識として重要です。混同注意:細胞外でも活動できる微生物(例:一部の細菌)と混同しやすいです。
国試ポイント
ウイルスの基本的な生物学的特徴、特に細胞との違いや増殖様式に関する正確な知識が問われています。ウイルスの概念を理解しているかを確認する問題です。
混同注意
ウイルスは非常に小さいですが、単なる「毒素」ではなく、遺伝物質を持つ「微生物」としての側面があります。また、細菌などの他の微生物との明確な違い(細胞構造の有無、増殖様式など)が混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出た場合、ウイルスの「非細胞性」「宿主特異性」「薬剤耐性」といったキーワードにも着目すると良いでしょう。
関連知識
ウイルスの構造(ゲノム、カプシド、エンベロープ)、増殖サイクル(吸着、侵入、脱殻、複製、集合、放出)、分類(DNAウイルス、RNAウイルスなど)