ピンク色泡沫状で漿液性の喀痰が得られた。考えられる疾患はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
肺水腫では、心不全などによる左心系のうっ血や腎不全などにより肺の毛細血管から液体成分が肺胞内に漏出し、これが空気と混ざることでピンク色の泡状の痰として排出されます。漿液性であることも特徴です。特に急性心不全に伴う肺水腫で典型的にみられる所見です。
選択肢ごとの解説
- 1. 肺癌では、一般的に血痰や喀血、あるいは粘液性・膿性の痰が見られますが、ピンク色の泡状漿液性の痰は典型的ではありません。特に進行した肺癌では、腫瘍からの出血による血痰が見られることがあります。正しくは:肺癌では血痰や粘液性・膿性の痰が一般的である。選びやすい理由:肺疾患であるため選択肢に入りやすいですが、痰の性状が異なります。混同注意:血痰(赤色)とピンク色(淡い赤色)の区別、および泡状かどうかの区別。喀血とピンク色泡状漿液性痰を混同することがあります。
- 2. 肺梗塞では、肺血管の閉塞により肺組織が壊死し、その結果として血痰や胸痛が見られることがあります。しかし、ピンク色の泡状漿液性の痰は典型的ではありません。正しくは:肺梗塞では血痰が認められることがあるが、ピンク色の泡状漿液性の痰は典型的ではない。選びやすい理由:肺疾患であるため選択肢に入りやすいですが、痰の性状が異なります。混同注意:喀血とピンク色泡状漿液性痰を混同することがあります。
- 3. 正解。肺水腫は、肺胞内に水分が貯留する病態であり、この水分が空気と混ざることで泡状となり、血管から赤血球成分が漏出することでピンク色を呈します。漿液性であることも特徴で、この痰は心不れに伴う急性肺水腫で典型的な所見です。選びやすい理由:設問の痰の性状に最も合致するため、選ぶべき選択肢です。混同注意:特に混同するものはありませんが、他の肺疾患による血痰との区別は重要です。
- 4. 気管支炎では、気管支の炎症により粘液や膿性の痰が排出されます。色も黄色や緑色を呈することが多く、ピンク色の泡状漿液性の痰は一般的ではありません。正しくは:気管支炎では通常、粘液性または膿性の痰が排出される。選びやすい理由:咳と痰が主症状であるため選択肢として想起されやすいですが、痰の性状が異なります。混同注意:感染症による痰と肺水腫による痰の性状。
- 5. 気管支拡張症では、気管支の不可逆的な拡張により、多量の膿性痰や血痰が見られることがあります。しかし、ピンク色の泡状漿液性の痰は典型的ではありません。正しくは:気管支拡張症では多量の膿性痰や血痰が見られることがある。選びやすい理由:慢性的な咳と痰を伴う疾患であるため選択肢に入りやすいですが、痰の性状が異なります。混同注意:血痰とピンク色泡状漿液性痰を混同することがあります。
国試ポイント
肺水腫の典型的な臨床症状(特に痰の性状)を理解する。肺水腫と鑑別が必要な疾患の病態生理と症状の関連性を把握する。
混同注意
肺水腫の痰は「ピンク色の泡状漿液性」であり、これは心原性肺水腫に非常に特徴的です。喀血(肺癌、肺梗塞、気管支拡張症などで見られる)は血液そのものや血が混じった痰で、必ずしも泡状ではありません。膿性痰(気管支炎など)は感染を示唆し、色も黄色や緑色を呈します。
次に同じ論点が出たら
患者の既往歴(心疾患、腎疾患)、身体所見(呼吸困難、頻呼吸、心音、肺野のラ音)、胸部X線所見、血液検査データ(BNPなど)と総合して判断します。
関連知識
肺水腫の原因疾患(急性心不全、腎不全、ARDSなど)、治療法(利尿薬、血管拡張薬、酸素療法など)、胸部X線所見(両側性蝶影状浸潤影、Kerley B line)なども関連知識として重要です。