LDアイソザイムで1、2型優位なのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
LDアイソザイムは5種類(LD-1からLD-5)あり、H型サブユニットとM型サブユニットの組み合わせで構成されます。H型サブユニットは酸素が豊富な環境での代謝(好気的代謝)に適しており、乳酸からピルビン酸への反応を促進する傾向があります。一方、M型サブユニットは酸素が少ない環境での代謝(嫌気的代謝)に適しており、ピルビン酸から乳酸への反応を促進する傾向があります。LD-1(H4型)はH型サブユニットのみで構成され、心筋細胞や赤血球などで優位に認められます。これらの細胞は高い酸素供給下で機能し、ピルビン酸をTCA回路に送る代謝経路が効率的です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。赤血球はLD-1が優位であり、LD-1はH4型アイソザイムであるため、H型サブユニットの割合が多いです。赤血球内では嫌気性解糖によりピルビン酸から乳酸への変換が盛んですが、LD-1がH型優位である理由は、赤血球が核を持たない細胞であり、成熟過程でミトコンドリアも失うため、酸素運搬に特化しつつ、効率的なエネルギー産生とLDアイソザイムの構成が関連していると考えられます。
- 2. 肝細胞はLD-5が優位であり、LD-5はM4型アイソザイムであるため、M型サブユニットの割合が多いです。正しくは:肝細胞はLD-5(M4型)が優位です。選びやすい理由:肝臓は代謝の中心であり、様々な酵素が豊富に存在するため、LDアイソザイムの特定の型が多いと誤解しやすいかもしれません。しかし、LD-5が優位であり、M型サブユニットを多く含みます。混同注意:LDアイソザイムの種類と各臓器での分布を混同しやすいです。
- 3. 正解。心筋細胞はLD-1が優位であり、LD-1はH4型アイソザイムであるため、H型サブユニットの割合が多いです。心筋は常に酸素が豊富に供給される環境で活動し、ATPを産生するために有酸素代謝を活発に行います。LD-1(H4型)は、ピルビン酸から乳酸への変換を抑制し、乳酸からピルビン酸への変換を促進する傾向があり、有酸素代謝を維持するのに適しています。選びやすい理由:心筋は非常に活発な臓器であるため、M型が多いと誤解する人もいるかもしれませんが、酸素が豊富な環境での代謝を考慮するとH型優位が自然です。
- 4. リンパ球は主にLD-2が優位であり、LD-2はH3M1型アイソザイムであるため、H型サブユニットの割合は多いですが、H型"優位"なLD-1が卓越しているとは言えません。設問の意図はより強いH型優位の臓器を問うています。正しくは:リンパ球はLD-2が優位であり、H型サブユニットは多いですが、特にH型優位を代表する臓器ではありません。選びやすい理由:LD-2にもH型サブユニットが3つ含まれるため、H型優位と錯覚する可能性があります。しかし、より強いH型優位性を持つLD-1が卓越する臓器と比較すると、この選択肢は正解にはなりません。混同注意:LDアイソザイムの各型の構成(HとMの比率)と、それが臓器で優位であることの程度を混同しやすいです。
- 5. 肺胞上皮細胞は主にLD-3が優位であり、LD-3はH2M2型アイソザイムであるため、H型とM型のサブユニットが同数であり、H型優位とは言えません。正しくは:肺胞上皮細胞はLD-3(H2M2型)が優位であり、H型優位ではありません。選びやすい理由:肺は酸素と密接な関係があるため、H型優位と連想しやすいかもしれません。しかし、LD-3はHとMが同数のため、H型優位とは言えません。混同注意:臓器の機能とLDアイソザイムの型の単純な関連付けで誤解しやすいです。
国試ポイント
LDアイソザイムの構成と、各臓器での主要なアイソザイムの型を正確に理解しているかを問う問題です。特にH型優位なLD-1がどの臓器に多く存在するかが頻出ポイントです。
混同注意
各アイソザイムの構成(HとMの比率)と、それがどの臓器で優位に検出されるか。特にLD-1とLD-5の構成と分布は重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各LDアイソザイム(LD-1からLD-5)のH型とM型のサブユニット構成、およびそれらが優位に存在する主要な臓器(心筋、赤血球、肺、脾臓、リンパ節、腎臓、肝臓、骨格筋など)を正確に想起できるかを確認します。
関連知識
LDアイソザイムの臨床的意義(例:LD-1の上昇は心筋梗塞、溶血性貧血、LD-5の上昇は肝疾患、骨格筋疾患など)。