直接ビリルビンが上昇するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
直接ビリルビンは肝臓で抱合されたビリルビンであり、胆汁として排泄されます。胆汁うっ滞は、胆管の閉塞などにより胆汁の流れが滞る病態であり、これにより直接ビリルビンが血中に逆流し、血中濃度が上昇します。他の選択肢は、いずれも肝臓でのビリルビン抱合能の低下やビリルビン産生の過剰により、主に間接ビリルビンが上昇する病態です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。胆汁うっ滞(閉塞性黄疸など)では、肝臓でグルクロン酸抱合された直接ビリルビンが胆管から排泄されず、逆流して血中に蓄積するため、血中直接ビリルビン濃度が上昇します。
- 2. 溶血性貧血では赤血球の破壊が亢進し、間接ビリルビン(非抱合型ビリルビン)の産生が増加します。肝臓の処理能力を超えると間接ビリルビンが血中に蓄積するため、主に間接ビリルビンが上昇します。正しくは:溶血性貧血では、主に間接ビリルビンが上昇します。選びやすい理由:黄疸を伴う疾患なので、ビリルビン代謝異常の選択肢として考えやすいですが、直接か間接かの区別が重要です。混同注意:直接ビリルビンと間接ビリルビンのどちらが上昇するかを混同しやすいです。
- 3. 新生児黄疸は、主に肝臓のグルクロン酸抱合酵素(UGT1A1)の活性が未熟なため、間接ビリルビンの抱合処理が間に合わず、血中の間接ビリルビンが上昇して起こります。正しくは:新生児黄疸では、主に間接ビリルビンが上昇します。選びやすい理由:乳児期の一般的な黄疸であり、ビリルビン代謝異常を考える際に選択肢として検討されやすいです。混同注意:生理的黄疸か病的新生児黄疸かに関わらず、抱合能の未熟さに起因するため、間接ビリルビンが主体であることを理解していないと誤答しやすいです。
- 4. Gilbert症候群は、肝臓のグルクロン酸抱合酵素(UGT1A1)の活性が遺伝的に低下しているため、間接ビリルビンの抱合能力が不十分となり、血中では主に間接ビリルビンが上昇します。正しくは:Gilbert症候群では、主に間接ビリルビンが上昇します。選びやすい理由:体質性黄疸の代表例であり、ビリルビン代謝異常であることは正しいですが、間接ビリルビンが主であることを認識していないと誤答しやすいです。混同注意:直接ビリルビン型か間接ビリルビン型かの分類を混同しやすいです。これは体質性黄疸の間接ビリルビン型です。
- 5. Crigler-Najjar症候群は、グルクロン酸抱合酵素(UGT1A1)の活性が著しく欠損または完全に欠損している先天性疾患であり、肝臓での間接ビリルビンの抱合がほとんど行われないため、血中では主に間接ビリルビンが著しく上昇します。正しくは:Crigler-Najjar症候群では、主に間接ビリルビンが上昇します。選びやすい理由:ビリルビン代謝異常の中でも重篤なタイプであり、遺伝性疾患として考えやすいですが、やはり間接ビリルビンが主であることを理解していないと誤答しやすいです。混同注意:Gilbert症候群と同様に、体質性黄疸の間接ビリルビン型であり、直接型黄疸の原因と混同しやすいです。
国試ポイント
ビリルビン代謝とその異常に関する知識、特に直接ビリルビン(抱合型ビリルビン)と間接ビリルビン(非抱合型ビリルビン)がそれぞれどのような病態で上昇するかを正確に理解しているかを問う問題です。黄疸の原因を分類する基本的な知識が求められます。
混同注意
直接ビリルビン型黄疸と間接ビリルビン型黄疸の原因疾患を混同しやすいです。溶血性黄疸、体質性黄疸(Gilbert症候群、Crigler-Najjar症候群)、新生児黄疸は間接ビリルビン優位、肝細胞性黄疸や閉塞性黄疸(胆汁うっ滞)は直接ビリルビン優位または混合型として理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず提示された疾患が「ビリルビン生成過剰」「肝臓での抱合能低下」「胆汁排泄障害」のいずれに分類されるかを確認し、それに応じて直接・間接ビリルビンのどちらが優位に上昇するかを判断します。
関連知識
ビリルビン代謝経路(ヘム→間接ビリルビン→肝臓で抱合→直接ビリルビン→胆汁排泄)、グルクロン酸抱合酵素(UGT1A1)の役割、黄疸の分類(溶血性、肝細胞性、閉塞性、体質性)、尿中ウロビリノーゲンの変化、便色の変化。