カラム法による血液型検査の結果(別冊No. 12)を別に示す。 このような判定結果となった原因として考えられるのはどれか。2つ選べ。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
亜型の場合、赤血球上の抗原量が少ないため、通常の抗血清との反応が弱くなり、型判定が困難になることがあります。また、骨髄移植を受けた患者では、ドナーの造血幹細胞がレシピエントの体内で異なる血液型の赤血球を産生するようになるため、患者の体内に複数の血液型の赤血球が混在するキメラ状態となり、型判定が複雑化し困難になります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。亜型は通常の抗体検査では反応が弱く、型判定を困難にすることがあります。抗原量が少ないか、抗原性が弱い場合に起こります。
- 2. 連銭形成は赤血球凝集反応に影響を与える可能性がありますが、主に沈降現象として観察され、赤血球型の判定自体を根本的に困難にする直接的な原因ではありません。凝集塊と誤認される可能性はありますが、判定不可となるほどではありません。正しくは:連銭形成は、赤血球沈降速度の亢進や血漿タンパク質の増加で見られ、凝集反応の解釈を妨げることがありますが、型の判定を不可能にするほどではありません。選びやすい理由:凝集と見間違いやすい状況であるため、型判定に影響すると考えやすい。混同注意:真の凝集反応と連銭形成による見かけ上の凝集
- 3. 免疫不全患者は抗体産生能が低下しているため、抗A抗体や抗B抗体といったABO式血液型の自然抗体が十分に存在しない場合があります。しかし、これは主に血清型判定(裏試験)に影響し、血球型判定(表試験)には直接影響しません。血球型判定は患者の赤血球表面の抗原を検出するため、患者の免疫状態には依存しません。正しくは:免疫不全患者では、自身の抗体産生が不十分なため、血清型判定(裏試験)が困難になることがあります。しかし、血球型判定(表試験)には直接的な影響は与えません。選びやすい理由:抗体に関する問題であるため、免疫不全と関連付けやすい。混同注意:血球型判定(表試験)と血清型判定(裏試験)
- 4. 正解。過去に骨髄移植を受けた患者では、移植された骨髄細胞がドナーの血液型に由来するため、患者自身の血液型とドナーの血液型が異なる場合があります。これにより、赤血球が両方の型を混合して持つキメラ状態となり、型判定が非常に困難になります。
- 5. 不規則抗体は、輸血や妊娠によって産生されるABO式血液型以外の赤血球抗原に対する抗体です。これは交差適合試験において問題となりますが、ABO式の血球型判定(表試験)や血清型判定(裏試験)を困難にすることはありません。正しくは:不規則抗体は輸血前の交差適合試験で重要ですが、ABO式血液型判定自体を困難にする原因ではありません。選びやすい理由:『抗体』というキーワードから、血液型判定に影響すると誤解しやすい。混同注意:ABO式血液型判定と不規則抗体スクリーニング・交差適合試験
国試ポイント
血液型判定が困難になる具体的な原因について、多岐にわたる知識が問われています。特に、亜型と骨髄移植後のキメラ状態は、臨床現場で遭遇する重要な状況です。
混同注意
免疫不全患者の血清型判定困難と血球型判定困難、不規則抗体による交差適合試験の問題とABO型判定の問題の混同。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、血液型判定の表試験と裏試験それぞれの原理を理解し、どの要因がどちらに影響するかを正確に判断することが求められます。特に、『抗原側』の問題と『抗体側』の問題を区別する視点が重要です。
関連知識
ABO式血液型の亜型(A1, A2, B3など)、骨髄移植後のキメリズム、連銭形成と真の凝集の区別、免疫不全患者における抗体産生不全、不規則抗体の臨床的意義。