アミラーゼアイソザイムで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
アミラーゼは腎臓でろ過され尿中に排泄される低分子量タンパク質です。腎不全により腎機能が低下すると、アミラーゼの排泄が滞り、血液中のP型およびS型アミラーゼの濃度が両方とも上昇します。これは、アミラーゼ高値の原因が膵炎や唾液腺疾患ではない場合の重要な鑑別点となります。
選択肢ごとの解説
- 1. アミラーゼは低分子量タンパク質であり、S型もP型も腎臓でろ過され尿中に排泄されます。特にS型は分子量が小さいため、尿中アミラーゼの主要な成分の一つです。正しくは:S型アミラーゼも尿中に排泄されます。選びやすい理由:アミラーゼは消化酵素であり、主に消化管で作用するため、尿中に排泄されないと誤解するかもしれません。混同注意:分子量の大きなタンパク質や腎臓で再吸収される物質と混同する可能性があります。
- 2. 急性膵炎で上昇するのは、膵臓由来のアミラーゼであるP型アミラーゼです。S型は唾液腺由来であり、膵炎では通常上昇しません。正しくは:急性膵炎の際には、主にP型アミラーゼの血中濃度が上昇します。選びやすい理由:アミラーゼ全体の数値が上昇するため、S型も上昇すると誤解するかもしれません。しかし、アイソザイムの違いを理解しているかが問われます。混同注意:P型アミラーゼとS型アミラーゼの産生臓器を混同する可能性があります。
- 3. P型とS型のアミラーゼの分子量はほぼ同等で、約50kDaとされています。分子量の違いは明確ではありません。分離方法によって異なる見解もありますが、一般的には「同程度」と認識されています。正しくは:P型とS型のアミラーゼの分子量はほぼ同程度です。選びやすい理由:P型がより病態と関連が深いため、何か特徴的な違いがあるだろうと推測し、分子量に差があると考えるかもしれません。混同注意:アミラーゼの各アイソザイムの分子量に関する正確な知識がない場合、誤って判断する可能性があります。
- 4. 流行性耳下腺炎は唾液腺の炎症であり、唾液腺から分泌されるS型アミラーゼが主に上昇します。正しくは:流行性耳下腺炎では、主にS型アミラーゼの血中濃度が上昇します。選びやすい理由:アミラーゼが関わる疾患であることは認識できても、P型とS型の産生臓器と病態との関連付けが不十分だと間違える可能性があります。混同注意:急性膵炎と流行性耳下腺炎で上昇するアミラーゼアイソザイムを混同する可能性があります。
- 5. 正解。アミラーゼは腎臓でろ過され尿中に排泄されるため、腎不全により腎臓からの排泄能が低下すると、血中のP型およびS型アミラーゼの両方が蓄積し、高値を示します。
国試ポイント
アミラーゼアイソザイムの産生臓器、関連疾患、および腎機能との関係について問う問題です。各アイソザイムの特異性を正確に理解しているか、また排泄経路と疾患状態の関係を把握しているかが重要です。
混同注意
アミラーゼアイソザイム(P型とS型)の産生臓器と、それぞれのアイソザイムが上昇する代表的な疾患を混同しやすいです。また、アミラーゼの排泄経路とその異常による影響も混同しやすい論点です。
次に同じ論点が出たら
アミラーゼ高値の患者がいた場合、まずアイソザイム分画を行い、P型優位かS型優位かを確認します。P型優位であれば膵臓疾患、S型優位であれば唾液腺疾患を疑いますが、両方高値の場合は腎機能障害やマクロアミラーゼ血症なども考慮し、他の臨床検査データや画像診断と合わせて総合的に判断します。
関連知識
アミラーゼの基準値、アミラーゼクリアランス、膵炎や耳下腺炎以外の高アミラーゼ血症の原因(例:マクロアミラーゼ血症、薬物性など)。