放射線感受性が高いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
放射線感受性は、細胞分裂の頻度と分化度合いに大きく影響されます。一般的に、未分化で細胞分裂が活発な細胞ほど放射線感受性が高く、分化が進んで細胞分裂が少ない細胞ほど感受性が低いです。リンパ組織は、未分化なリンパ球やその前駆細胞が活発に増殖しているため、放射線感受性が極めて高い組織として知られています。これに対し、筋肉、結合、脂肪、神経組織は、分化が進み細胞分裂が比較的少ないため、放射線感受性は低いです。特に神経組織は最も低い部類に入ります。
選択肢ごとの解説
- 1. 筋肉組織は、分化が進んでおり細胞分裂が活発でないため、放射線感受性は比較的低いです。正しくは:筋肉組織は、低感受性の組織に分類されます。選びやすい理由:一般的な臓器に含まれるため、知識が曖昧だと選びやすいかもしれません。混同注意:高感受性の組織と混同しやすい。
- 2. 結合組織(線維芽細胞など)は、細胞分裂の速度や分化度により感受性は異なりますが、一般的には中程度の感受性か、比較的低い感受性と考えられます。高感受性の組織ではありません。正しくは:結合組織は、中程度から低感受性の組織に分類されます。選びやすい理由:体内に広く分布しているため、漠然と選びやすい可能性があります。混同注意:他の一般的な組織と感受性の程度が混同しやすい。
- 3. 脂肪組織(脂肪細胞)は、分化が進んでおり細胞分裂がほとんど見られないため、放射線感受性は非常に低いです。正しくは:脂肪組織は、放射線感受性が低い組織の代表例です。選びやすい理由:特に一般的な知識がない場合、どの組織でも選びうるため。混同注意:低感受性組織の代表例と混同しやすい。
- 4. 神経組織(神経細胞)は、分化が極度に進行し、細胞分裂がほぼ停止しているため、放射線感受性は非常に低いです。特に成熟した神経細胞は最も放射線抵抗性が高い組織の一つです。正しくは:神経組織は、放射線感受性が極めて低い組織の代表例です。選びやすい理由:脳や脊髄といった重要な臓器であるため、何か特別な性質があると感じて選びやすいかもしれませんが、放射線感受性に関しては逆です。混同注意:高感受性組織と混同しやすい、あるいは重要臓器であることと放射線感受性を混同しやすい。
- 5. 正解。リンパ組織は、未分化で細胞分裂が活発な細胞(リンパ球前駆細胞など)を多く含むため、放射線に対する感受性が非常に高い組織です。特にリンパ球そのものが放射線感受性が高いことで知られています。選びやすい理由:他の組織と異なり、免疫系に関わるため、特殊な感受性を持つと直感的に理解しやすいかもしれません。
国試ポイント
放射線感受性に関する基本的な知識、特に「バーゴニー・トリボーの法則(法則の具体的な名称は問われないことが多いが、その概念が重要)」に基づいて、高感受性組織と低感受性組織を区別できるかが問われます。高感受性組織の代表例を正確に覚えている必要があります。
混同注意
放射線感受性と放射線抵抗性、あるいは高感受性組織と低感受性組織の区別。臓器の重要性と放射線感受性の高さを混同しやすい(例:神経は重要だが低感受性)。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず選択肢が『未分化で細胞分裂が活発な組織』か『分化が進んで細胞分裂が少ない組織』かのどちらに分類されるかを判断します。特に、リンパ組織、骨髄、生殖腺は高感受性の代表例として確実に押さえるべきです。
関連知識
放射線生物学におけるバーゴニー・トリボーの法則:①未分化な細胞ほど、②細胞分裂が盛んな細胞ほど、③分裂期間が長い細胞ほど、放射線感受性が高い。代表的な高感受性組織:リンパ組織、骨髄、生殖腺(精巣・卵巣)、腸管上皮。代表的な低感受性組織:神経組織、筋肉組織、骨組織、結合組織(成熟した線維組織)。