フローサイトメトリで誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
フローサイトメトリーにおいて、前方散乱光(FSC)は細胞の大きさに比例し、側方散乱光(SSC)は細胞の内部構造の複雑さ(顆粒性など)に比例します。したがって、「側方散乱光からは細胞の大きさに関わる情報が得られる」という記述は誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. フローサイトメトリーでは、細胞膜表面だけでなく、透過処理を施すことで細胞質内や核内の抗原も測定可能です。選びやすい理由:フローサイトメトリーは主に細胞表面抗原の解析で知られているため、細胞内抗原の測定については知識が曖昧だと誤解を招く可能性があります。混同注意:細胞表面マーカーのみを測定する手法と混同しやすいです。
- 2. T細胞、B細胞、NK細胞などのリンパ球サブセットの同定と定量は、フローサイトメトリーの代表的な応用例です。CDマーカーなどを利用します。選びやすい理由:これはフローサイトメトリーの主要な用途の一つであり、多くの学生が正しく認識しているため、誤りとは考えにくいでしょう。
- 3. フローサイトメーターでは、蛍光色素を励起し、散乱光を検出するために、アルゴンレーザーやヘリウムネオンレーザーなどのレーザー光が光源として一般的に使用されます。選びやすい理由:レーザーが使用されることは基本的な知識なので、疑問を抱きにくい選択肢です。
- 4. 正解。側方散乱光(Side Scatter, SSC)は細胞内部の構造や顆粒性、複雑性に関する情報を示します。細胞の大きさ(サイズ)に関する情報は前方散乱光(Forward Scatter, FSC)から得られます。正しくは:側方散乱光からは細胞の内部構造や顆粒性に関わる情報が得られます。細胞の大きさに関する情報は前方散乱光から得られます。選びやすい理由:前方散乱光と側方散乱光の区別が曖昧な場合、どちらかが細胞の大きさ、もう一方が内部構造と認識していれば、内容が入れ替わっていても気づきにくいことがあります。混同注意:前方散乱光(FSC)と側方散乱光(SSC)の役割
- 5. ハイドロダイナミックフォーカシングという原理により、シース液の流れが細胞を中央に押しやり、一列に並べて検出部に通過させることで、個々の細胞を正確に測定することを可能にします。選びやすい理由:この現象はフローサイトメトリーの基本的な仕組みであり、正解肢ではないと判断しやすいでしょう。
国試ポイント
フローサイトメトリーの原理に関する基本的な知識、特に前方散乱光(FSC)と側方散乱光(SSC)がそれぞれどのような細胞情報に対応するかを正確に理解しているかが問われます。
混同注意
前方散乱光(FSC)と側方散乱光(SSC)が示す細胞情報の混同。
次に同じ論点が出たら
フローサイトメトリーに関する問題が出た場合、まずFSCとSSCが何を示すか、そして蛍光標識の原理と検出方法が適切に記述されているかを確認する。また、どのような検体が測定可能か、主要な応用分野は何かを判断する。
関連知識
フローサイトメトリーの基本原理(ハイドロダイナミックフォーカシング、レーザー光源)、測定可能な細胞パラメーター(細胞表面抗原、細胞内抗原、DNA量など)、応用例(リンパ球サブセット解析、白血病・リンパ腫の診断、HIV感染症のモニタリング、幹細胞解析など)。