30歳の女性。出産後に発熱が続き、蝶形紅斑および蛋白尿を認めたため入院した。腎生検を行い、蛍光抗体法によってC1qを染色した結果(別冊No. 12)を別に示す。 血液検査で認められる可能性が高い所見はどれか。2つ選べ。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
出産後の発熱、蝶形紅斑、蛋白尿があり、腎生検で糸球体にC1qの沈着を認めることから、全身性エリテマトーデス(SLE)によるループス腎炎が考えられます。SLEでは、免疫複合体による補体の消費で補体活性(CH50・C3・C4)が低下し、血液検査ではリンパ球減少がよくみられます(公式正答3・5)。SLEの貧血は正球性が多く、好中球は減少しやすく、γ-グロブリンは上昇することが多いです。
選択肢ごとの解説
- 1. SLEの貧血は正球性が多く、大球性貧血は巨赤芽球性貧血などでみられます。正しくは:SLEではリンパ球減少と補体低下がみられます。選びやすい理由:貧血を伴うことから選びやすい選択肢です。混同注意:貧血の分類
- 2. SLEでは好中球は減少しやすく、増多は典型的ではありません。正しくは:SLEではリンパ球減少と補体低下がみられます。選びやすい理由:発熱から感染症を連想して選びやすい選択肢です。混同注意:SLEの血球減少
- 3. 正解。SLEではリンパ球減少がよくみられます(公式正答)。
- 4. SLEではγ-グロブリンは上昇することが多く、低下は典型的ではありません。正しくは:SLEではリンパ球減少と補体低下がみられます。選びやすい理由:免疫の異常から連想して選びやすい選択肢です。混同注意:SLEの高γ-グロブリン血症
- 5. 正解。免疫複合体による補体の消費で、補体活性(CH50・C3・C4)が低下します(公式正答)。
国試ポイント
SLE(ループス腎炎)の血液検査所見(リンパ球減少・補体低下)を理解しているかが問われています。
混同注意
SLEではγ-グロブリンは低下ではなく上昇します。好中球は増多ではなく減少しやすい点に注意します。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず疾患の主要な病態生理(骨髄抑制、自己免疫、感染症など)を特定し、その病態によってどのような血球や血漿成分に影響が出るかを考える。特に、免疫学的異常が関わる疾患では、リンパ球、補体、免疫グロブリンの変化に注目する。
関連知識
SLEの検査所見:白血球減少(リンパ球減少)、溶血性貧血、血小板減少、補体低下、抗核抗体・抗dsDNA抗体・抗Sm抗体陽性。ループス腎炎の蛍光抗体法では、IgG・C3・C1qなど多くの沈着がみられる(full house)。