スパイログラム(別冊No. 4)を別に示す。Aが示すのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
スパイログラムにおいて、安静呼気位から最大努力で呼出できる空気の量を「予備呼気量」と定義します。下図Aが示す範囲は、安静呼吸の呼気終了点からさらに努力して呼出できる肺容量を示しているため、予備呼気量に相当します。
選択肢ごとの解説
- 1. 残気量は、最大呼出後に肺内に残る空気の量であり、スパイログラム単独では測定できません。通常、間接的に測定されます。正しくは:残気量はスパイログラムでは直接測定できない。選びやすい理由:肺容量の一つであるため、他の容量と混同しやすい。混同注意:全肺気量や機能的残気量と混同されることがある。
- 2. 一回換気量は、安静時の1回の呼吸で出入りする空気の量です。図のスパイログラムでは、安静呼吸の波形の一部として示されますが、Aが示しているのは安静呼気位からさらに努力呼出できる量です。正しくは:Aは安静呼気位から努力呼出できる量を指している。選びやすい理由:基本的な肺容量であるため、見慣れた用語として選択しやすい。混同注意:安静呼吸中の吸気量や呼気量と混同しやすい。
- 3. 最大吸気量は、安静呼気位から最大努力で吸入できる空気の量であり、Aが指す部分とは異なります。Aは呼出方向の容量を示しています。正しくは:最大吸気量は安静呼気位から最大吸入できる量である。選びやすい理由:「最大」という言葉から、何らかの最大努力を示す容量だと誤解しやすい。混同注意:吸気予備量や深吸気量と混同しやすい。
- 4. 正解。予備呼気量は、安静時の呼気位からさらに最大努力で呼出できる空気の量を指します。スパイログラムの波形において、Aは安静呼気位(波形が安定している部分)から、さらに下がる(呼出する)ことができる部分を示しており、これは予備呼気量の定義に合致します。正しくは:予備呼気量は、安静呼気位から最大努力で呼出できる空気の量である。選びやすい理由:他の肺容量と形状が似ているため、慎重な判別が必要となる。混同注意:残気量や機能的残気量と混同されることがあるが、これらはスパイログラム単独では測定できない部分を含む。
- 5. 機能的残気量は、安静呼気位で肺内に残る空気の総量(予備呼気量+残気量)を指します。残気量が含まれるため、スパイログラム単独では測定できません。正しくは:機能的残気量は、予備呼気量と残気量を合わせたものであり、スパイログラム単独では測定できない。選びやすい理由:「残気」という言葉から、Aが示す「残り」の部分と関連付けて考えやすい。混同注意:残気量や予備呼気量と混同されやすいが、定義が異なる。
国試ポイント
スパイログラムの各波形が示す肺容量・肺気量の定義を正確に理解しているかが問われる問題です。特に、スパイログラムで直接測定できる容量と、そうでない容量(残気量を含むもの)の区別が重要です。
混同注意
残気量、一回換気量、最大吸気量、機能的残気量といった他の肺容量・肺気量と混同しやすいです。特に、残気量と機能的残気量はスパイログラム単独では測定できない点を把握しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
スパイログラムの別の部分(例:吸気側、最大努力吸気後)に線が引かれた場合に、それが示す容量は何かを判断できるか。また、各容量の臨床的意義や、特定の疾患(例:COPD、拘束性肺疾患)での変動を説明できるか。
関連知識
肺活量(VC)、全肺気量(TLC)、吸気容量(IC)、吸気予備量(IRV)など、他の肺容量・肺気量の定義とそのスパイログラム上での位置も関連知識として重要です。ヘリウム希釈法や体プレチスモグラフ法による残気量測定の原理も学習しておくと良いでしょう。