血流依存性血管拡張反応〈FMD〉で血管内皮から放出されるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
血流依存性血管拡張反応(FMD)は、ずり応力(shear stress)によって血管内皮細胞が刺激され、一酸化窒素(NO)を産生・放出することで血管平滑筋が弛緩し、血管が拡張する現象です。NOは血管内皮細胞が産生する最も重要な血管拡張因子の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 一酸化炭素は血管内皮細胞でも産生されますが、FMDにおける主要な血管拡張因子ではありません。主にヘムオキシゲナーゼによって産生され、血管調節に関与しますが、NOほど中心的な役割ではありません。正しくは:血管内皮から放出される主要な血管拡張因子は一酸化窒素(NO)である。選びやすい理由:COもガス状分子で血管作用があるため、NOと混同されやすい可能性があります。混同注意:一酸化窒素(NO)
- 2. 二酸化炭素は代謝産物であり、pHの変化を通じて血管拡張に影響を与えますが、血管内皮から直接放出されてFMDを誘発する主要な物質ではありません。むしろ細胞呼吸の最終産物です。正しくは:血管内皮から放出される主要な血管拡張因子は一酸化窒素(NO)である。選びやすい理由:CO2は代謝と血流調節に密接に関連するため、FMDの文脈で関連性があるように見えるかもしれません。混同注意:一酸化窒素(NO)
- 3. 窒素ガス(N2)は空気の主要成分であり、生体内では安定しており、血管内皮から放出されて血管拡張に作用する生理活性物質ではありません。正しくは:血管内皮から放出される主要な血管拡張因子は一酸化窒素(NO)である。選びやすい理由:NOの『窒素』という言葉から連想されるかもしれませんが、N2は生理活性がありません。混同注意:一酸化窒素(NO)
- 4. 正解。血流依存性血管拡張反応(FMD)は、血管内皮機能の評価に用いられます。血流増加によるずり応力(shear stress)が血管内皮細胞に作用することで、一酸化窒素合成酵素(eNOS)が活性化され、一酸化窒素(NO)が産生・放出されます。NOは血管平滑筋を弛緩させ、血管を拡張させる主要な因子です。
- 5. 酸素は生体の生命維持に不可欠な物質ですが、血管内皮から放出されてFMDを誘発する血管拡張因子ではありません。酸素は消費される物質であり、血管拡張を引き起こすシグナル分子ではありません。正しくは:血管内皮から放出される主要な血管拡張因子は一酸化窒素(NO)である。選びやすい理由:生体の必須要素であるため、何らかの生理作用があるように誤解されるかもしれません。混同注意:一酸化窒素(NO)
国試ポイント
FMDのメカニズム、特に血管内皮から放出される主要な血管拡張因子が何であるかを問う問題です。血管内皮機能評価の基本となる知識が試されます。ガス状分子の生理作用と関連付けて理解することが重要です。
混同注意
NOとCOは共にガス状の血管調節因子ですが、FMDにおける主役はNOです。CO2やO2、N2は代謝や呼吸に関連しますが、FMDの直接的な血管拡張因子ではありません。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出たら、「FMDの測定原理」「NOの作用機序」「NO合成酵素の種類と機能」について確認する問題が出る可能性があります。
関連知識
一酸化窒素合成酵素(NOS)には、内皮型(eNOS)、誘導型(iNOS)、神経型(nNOS)があり、それぞれ機能が異なります。FMDに関与するのはeNOSです。NOは可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化し、cGMPを増加させることで血管平滑筋を弛緩させます。FMDは動脈硬化の早期診断マーカーとして用いられます。