アルブミンによって運ばれるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
アルブミンは、血漿中に最も豊富に存在するタンパク質で、その主な機能の一つに、水に溶けにくい様々な物質の運搬があります。特に長鎖脂肪酸は、水溶性が低いためアルブミンと結合することで血中を効率的に輸送され、エネルギー源として各組織に供給されます。他の脂質であるリン脂質、コレステロール、トリグリセライドは、主にリポタンパク質という複合体として運搬され、グリセロールは水溶性であるため遊離型で運ばれます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。脂肪酸(特に長鎖脂肪酸)は水に溶けにくいため、血漿中でアルブミンと結合して標的組織へ運搬されます。
- 2. リン脂質は主にリポタンパク質の一部として、または細胞膜の構成成分として存在し、アルブミンによる主要な運搬対象ではありません。正しくは:リン脂質はリポタンパク質の一部として運ばれます。選びやすい理由:脂質の一種であるため、アルブミンが輸送すると誤解しやすいですが、輸送形態が異なります。混同注意:他の血中脂質(遊離脂肪酸やコレステロールエステルなど)の輸送機構と混同しやすい。
- 3. グリセロールは水溶性が高く、血漿中を遊離した形で容易に輸送されます。アルブミンによる特別な運搬は必要ありません。正しくは:グリセロールは水溶性であり、アルブミンと結合せずに血漿中を自由に移動します。選びやすい理由:脂肪酸と関連する分子であるため、脂肪酸と同じ輸送経路と誤解しやすい。混同注意:脂肪酸とグリセロールが共に脂肪分解産物であることから、両者の輸送形態が同じであると混同しやすい。
- 4. コレステロールは、主にリポタンパク質(LDL、HDLなど)の一部として血漿中を輸送されます。アルブミンは少量しか運びません。正しくは:コレステロールは主にリポタンパク質によって運ばれます。選びやすい理由:これも脂質であり、アルブミンが広範な脂質を運ぶという漠然とした知識から選びやすい。混同注意:脂肪酸がアルブミンによって運ばれることと、コレステロールがリポタンパク質によって運ばれることの区別が曖昧になりやすい。
- 5. トリグリセライド(中性脂肪)は水に不溶性であり、主にリポタンパク質(カイロミクロン、VLDLなど)によって運搬されます。アルブミンはトリグリセライドを運びません。正しくは:トリグリセライドは主にリポタンパク質によって運ばれます。選びやすい理由:脂肪酸の構成成分であるため、脂肪酸と同様にアルブミンが運搬すると誤解しやすい。混同注意:遊離脂肪酸とトリグリセライドの血中輸送形態の違いを混同しやすい。
国試ポイント
アルブミンの生理機能、特にその輸送機能について正確な知識が問われています。アルブミンが運搬する様々な物質の中でも、特に脂肪酸は重要であり、他の脂質との輸送形態の違いを理解しているかが鍵となります。
混同注意
アルブミンが輸送する物質と、リポタンパク質が輸送する物質の区別。特に、脂肪酸と他の脂質(コレステロール、トリグリセライド、リン脂質)の輸送機構は混同しやすい点です。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、アルブミンが運ぶ物質の例(ビリルビン、薬剤、ホルモンなど)や、他の血漿タンパク質(トランスフェリン、セルロプラスミンなど)が運ぶ特異的な物質との比較、さらにリポタンパク質の詳細な働きについても確認する可能性があります。
関連知識
アルブミンの他の機能(膠質浸透圧の維持、薬物・ホルモン・ビリルビンなどの運搬)。リポタンパク質の種類(カイロミクロン、VLDL、LDL、HDL)とそれぞれの主な輸送物質。脂肪酸の代謝経路(β酸化、トリアシルグリセロール合成)。