心窩部斜走査による上腹部の超音波像(別冊No. 7)を別に示す。矢印で示すのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
心窩部斜走査における超音波画像で、肝臓の実質内を走行し、肝静脈が合流して右心房に向かう太い血管構造は下大静脈です。特に、この位置で描出される大きな静脈構造は他にありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 肝動脈は、大動脈から分岐し肝臓へ向かう動脈であり、通常は肝門部で門脈の枝と共に認められることが多いですが、この位置に主幹が描出されるのは稀で、かつ形態も異なります。正しくは:下大静脈として描写されているべきです。選びやすい理由:血管構造であるため、他の血管系と混同しやすいかもしれません。混同注意:肝門部にある門脈や肝動脈、胆管などの構造と混同しやすいです。
- 2. 大動脈は心窩部斜走査でも描出されますが、通常は下大静脈よりも左側に位置し、壁が厚く、拍動性があります。画像の位置と形態から大動脈ではありません。正しくは:下大静脈として描写されているべきです。選びやすい理由:上腹部には大動脈も存在するため、同じく大きな血管として選択肢に入りやすいですが、位置関係と形態で区別が必要です。混同注意:下大静脈と大動脈は、その位置関係と構造の違いで区別することが重要です。
- 3. 正解。心窩部斜走査において、肝臓の腹側に位置し、肝静脈が合流し右心房へ向かう太い血管として描出されるのは下大静脈です。画像の位置と形態が下大静脈に一致します。選びやすい理由:これは正答肢であるため、他の血管構造との位置関係や特徴を正しく理解していれば迷いません。混同注意:大動脈と混同しないように、位置関係(右側、大動脈より腹側)や血流の性状(拍動性がない)を理解しておく必要があります。
- 4. 肝外胆管は通常、門脈の腹側に位置する細い管状構造として描出されます。画像で矢印が示す太い血管構造とは異なります。正しくは:下大静脈として描写されているべきです。選びやすい理由:肝門部の構造として肝外胆管も重要ですが、血管とは異なる管腔構造であり、サイズも異なります。混同注意:肝門部で隣接する門脈、肝動脈、胆管のいわゆる'門脈三角'の構造と混同しやすいです。
- 5. 門脈本幹は通常、肝門部で描出され、肝臓へ向かって分岐します。下大静脈とは異なる位置関係と走行を示します。画像の位置は門脈本幹ではありません。正しくは:下大静脈として描写されているべきです。選びやすい理由:肝臓に関連する主要な血管であるため、候補に挙がりやすいですが、下大静脈との位置関係や合流する血管(肝静脈か脾静脈・上腸間膜静脈か)が異なります。混同注意:下大静脈と門脈は、肝臓周囲に存在する主要な血管ですが、走行と肝臓との位置関係、合流する血管が異なります。
国試ポイント
上腹部の主要な血管や臓器の位置関係を、超音波画像上で正確に識別できるかどうかが問われています。特に、大動脈、下大静脈、門脈、肝静脈といった主要な血管構造の解剖学的位置と超音波像での特徴を理解していることが重要です。
混同注意
上腹部には大動脈、下大静脈、門脈、肝動脈、肝静脈など多くの重要な血管が存在するため、それぞれの位置関係、形態、血流の特徴を混同しやすいです。特に、大動脈と下大静脈は太い血管として隣接するため、区別が重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の血管(大動脈、門脈本幹、肝動脈、肝静脈)や管腔臓器(胆管)の超音波解剖学的特徴とその画像上の見え方、隣接する臓器との位置関係を問う可能性が高いです。
関連知識
超音波診断における腹部解剖学(特に肝臓、血管系)、超音波走査法(心窩部斜走査)、主要な血管の超音波所見(管腔の形状、壁の厚さ、拍動性、合流する血管など)。