がん遺伝子はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
RASは、細胞増殖や分化に関わるシグナル伝達タンパク質をコードしており、変異が生じると恒常的に活性化され、細胞の異常な増殖を引き起こします。これはがん遺伝子の典型的な例です。一方、APC, BRCA1, RB, TP53は、細胞の異常増殖を抑える機能を持つがん抑制遺伝子であり、機能が失われることでがんの発症リスクが高まります。
選択肢ごとの解説
- 1. APCはがん抑制遺伝子であり、家族性大腸腺腫症(FAP)の原因遺伝子として知られています。正しくは:APCはがん抑制遺伝子である。選びやすい理由:がんと関連があるため、選択肢として魅力的。混同注意:がん遺伝子とがん抑制遺伝子の違い。
- 2. BRCA1はがん抑制遺伝子であり、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)の原因遺伝子として知られています。正しくは:BRCA1はがん抑制遺伝子である。選びやすい理由:がんの発症リスクに関連するため、選択肢として魅力的。混同注意:がん遺伝子とがん抑制遺伝子の違い。
- 3. 正解。RASは代表的ながん遺伝子の一つで、細胞増殖に関わるシグナル伝達経路において重要な役割を果たします。変異型RASは細胞の異常増殖を引き起こし、様々ながんの発生に関与します。選びやすい理由:がんの発生に深く関わるため、正しい選択肢として認識しやすい。混同注意:他の主要ながん関連遺伝子との混同。
- 4. RB(網膜芽細胞腫遺伝子)はがん抑制遺伝子であり、細胞周期の制御に重要な役割を果たします。変異すると網膜芽細胞腫などの腫瘍が発生しやすくなります。正しくは:RBはがん抑制遺伝子である。選びやすい理由:有名な遺伝性腫瘍の原因遺伝子であるため、選択肢として魅力的。混同注意:がん遺伝子とがん抑制遺伝子の違い。
- 5. TP53はがん抑制遺伝子であり、「ゲノムの守護者」とも呼ばれ、DNA損傷応答やアポトーシス誘導に関与します。多くのヒトがんでTP53の変異が見られます。正しくは:TP53はがん抑制遺伝子である。選びやすい理由:多くのがんで変異が見られるため、がん遺伝子と誤解されやすい。混同注意:がん遺伝子とがん抑制遺伝子の違い。特に、がん患者で頻繁に変異が見られる遺伝子イコールがん遺伝子ではないという点。
国試ポイント
がん遺伝子とがん抑制遺伝子の区別が正しく理解できているかを問う問題です。代表的な遺伝子の分類とその機能を正確に覚えていることが重要です。
混同注意
がん遺伝子とがん抑制遺伝子は、ともにがんの発症に関わるため混同しやすい。特に、がん患者で高頻度に変異が見られる遺伝子ががん抑制遺伝子である場合(例: TP53)と、がん遺伝子である場合(例: RAS)があるため、個々の遺伝子の機能と分類を正確に覚える必要がある。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、がん遺伝子とがん抑制遺伝子の概念を明確に区別できるか、そして主要な各遺伝子(MYC, HER2, ABL, EGFRなどのがん遺伝子、WT1, VHL, ATM, NF1, PTENなどのがん抑制遺伝子)がどちらに分類されるかを正確に判断できるかを確認する。
関連知識
がん遺伝子は、細胞の増殖促進シグナルを過剰に活性化させることでがんを引き起こす遺伝子。がん抑制遺伝子は、細胞の増殖抑制やアポトーシス誘導、DNA修復などを通じてがん化を抑制する遺伝子。リットン症候群、網膜芽細胞腫、家族性大腸腺腫症、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群などの遺伝性腫瘍症候群と関連する遺伝子も重要。