2ポイントエンド法の反応タイムコース(別冊No. 4)を別に示す。患者血清のタイムコースから考えられるのはどれか。ただし、測光ポイントは5分と10分の2ポイントとする。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
2ポイントエンド法では、5分と10分の2点の吸光度差から濃度を求めます。別冊No. 4では、第1試薬だけが入っている0〜5分の間、標準液の吸光度はほぼ0のまま変化しないのに、患者血清では吸光度が約0.1まで上昇し続けています。これは、目的の反応とは別に、第1試薬と検体中の内因性物質との反応が生じていることを示します(公式正答5)。
選択肢ごとの解説
- 1. 患者血清の5分と10分の吸光度差は約0.29(約0.395 − 約0.104)で正の値であり、測定値がマイナスになるわけではありません。正しくは:吸光度は光の吸収度合いを示す指標であり、負の値にはなりません。ただし、ブランク値との差が負になる場合はありえます。選びやすい理由:吸光度変化が小さい場合に誤解しやすいかもしれません。混同注意:吸光度の定義
- 2. 攪拌機能に問題がある場合、反応の立ち上がりが遅れたり、反応が不均一になったりする可能性はありますが、本グラフのように反応開始時から高い吸光度を示し、さらに急激な吸光度の上昇がみられる直接的な原因とは考えにくいです。攪拌不良であれば、曲線が滑らかに立ち上がらないか、低い吸光度で推移するなどの波形になることが多いです。正しくは:攪拌不良であれば、反応が適切に進行せず、反応曲線が不規則になったり、反応速度が低下したりする波形を示すでしょう。選びやすい理由:分析装置のトラブルとして一般的な項目の一つだからです。混同注意:反応試薬の混合不良による測定誤差
- 3. 光源ランプの劣化は、測定される吸光度全体が低下する原因となりますが、標準液と患者血清の反応曲線で異なる挙動を説明できません。また、劣化によって吸光度が突然急上昇することはありません。通常は、感度が低下し吸光度が全体的に低くなる傾向を示します。正しくは:光源ランプの劣化は、測定される吸光度全体を低下させる要因となります。全ての検体で吸光度が低く測定されるでしょう。選びやすい理由:装置のハードウェア不良として考えやすい選択肢だからです。混同注意:測定装置の感度低下
- 4. 第2試薬の分注量が少ない場合は、5分以降の第2試薬による反応の吸光度変化が小さくなるはずです。本問の異常は第2試薬を加える前(0〜5分)の患者血清の吸光度上昇であり、これでは説明できません。正しくは:第試薬の分注量不足であれば、反応速度が低下するか、最終的な吸光度が低くなる可能性があります。選びやすい理由:試薬の分注エラーは、日常的に起こりうる分析トラブルの一つだからです。混同注意:試薬量不足による反応抑制
- 5. 正解。第1試薬だけが入っている0〜5分の間、標準液の吸光度は変化しないのに、患者血清では吸光度が上昇し続けています。第1試薬と検体中の内因性物質との反応が生じていると考えられます。選びやすい理由:検体由来の妨害は、臨床検査でよく遭遇する問題であり、グラフの異常な挙動を最も合理的に説明できます。混同注意:特異的な酵素反応
国試ポイント
ポイントエンド法における異常反応波形の解釈と、内因性妨害物質の影響を理解すること。
混同注意
通常の酵素反応における基質飽和と、内因性物質による非特異反応の区別。
次に同じ論点が出たら
同様のグラフが出題された場合、標準液と比較して患者血清の反応曲線が異常な挙動(反応開始時の高い吸光度、非特異的な急激な吸光度変化など)を示しているかを確認し、それが測定系の問題か、検体由来の問題かを判断します。
関連知識
吸光度測定におけるLambert-Beerの法則、検体の前処理(除タンパク、希釈など)、二波長測定法の原理、カイネティック法とポイントエンド法の違い。