電気泳動法を用いる検査と健常成人の血清中に最も多く含まれる分画の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
電気泳動法で分析されるCKアイソザイムにおいて、健常成人の血清中ではCK-MMが最も多量に存在します。CK-MMは主に骨格筋に由来し、血中のCK活性の大部分を占めています。
選択肢ごとの解説
- 1. 血清蛋白分画において、健常成人で最も多いのはアルブミンです。γ-グロブリンは免疫に関連し、アルブミンに次いで多い分画の一つですが、最も多くはありません。正しくは:血清蛋白分画:アルブミン選びやすい理由:γ-グロブリンは主要な蛋白分画の一つであり、免疫に関連するため重要性が高く、多量に存在すると誤解しやすいです。混同注意:アルブミンとグロブリンの相対的な量や、各グロブリン分画(α1, α2, β, γ)の相対的な量と混同しやすいです。
- 2. 健常成人の血清リポ蛋白で最も多く含まれるのはLDL(低密度リポ蛋白)です。VLDL(超低密度リポ蛋白)は肝臓で合成され、トリグリセリドを多く含みますが、総量ではLDLに劣ります。正しくは:リポ蛋白分画:LDL選びやすい理由:VLDLはトリグリセリドの主要な運搬体であり、食後などに増加するため、常に多量に存在すると誤解しやすいです。混同注意:LDL、HDL、VLDLの役割と血中濃度を混同しやすいです。
- 3. 乳酸脱水素酵素(LD)のアイソザイムにおいて、健常成人血清中で最も多く見られるのはLD2です。LD3は主に肺やリンパ球に多く存在します。正しくは:LDアイソザイム:LD2選びやすい理由:LDアイソザイムは複数の分画があり、LD3も主要な組織に存在するが、血中の相対的な量を知らないと誤りやすいです。混同注意:LD1からLD5の各アイソザイムの主な存在部位と血中での相対的な量を混同しやすいです。
- 4. 正解。クレアチンキナーゼ(CK)のアイソザイムにはCK-MM, CK-MB, CK-BBがありますが、健常成人血清中に最も多く存在する、すなわちほぼすべてを占めるのはCK-MMです。これは主に骨格筋由来のアイソザイムです。選びやすい理由:CK-MBが心筋疾患の指標として有名であるため、CK-MBも比較的多量に存在すると誤解するかもしれません。しかし、健常人血清中ではCK-MMが圧倒的多数を占めます。混同注意:CK-MBが心筋特異的であることと、健常血清中の主要なアイソザイムを混同しやすいです。
- 5. アルカリホスファターゼ(ALP)のアイソザイムにおいて、ALP5という表記は一般的ではありません。通常は肝型、骨型、腸型、胎盤型、腎型などが知られています。健常成人で血清中に多く存在する主要なアイソザイムは肝型と骨型です。正しくは:ALPアイソザイム:肝型ALPまたは骨型ALP選びやすい理由:ALPアイソザイムの分類が複数ある中で、特定の数字表記に誘導されやすいです。混同注意:ALPアイソザイムの分類方法や、各型の組織分布と血中での相対的な存在量を混同しやすいです。
国試ポイント
電気泳動法で分析される主要な生体成分(蛋白、リポ蛋白、酵素アイソザイムなど)について、健常成人血清における最も優位な分画とその生理的由来を正確に理解しているかが問われています。特に、特定の疾患で増加する分画と健常人血清中の正常分画との区別が重要です。
混同注意
各酵素アイソザイム(LD、CK、ALPなど)において、異常時に上昇する分画と健常人血清中の主要な分画が異なる点を混同しやすいです。また、リポ蛋白や蛋白分画についても、それぞれの生理的役割と血中濃度を正確に把握していないと誤答につながります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各検査項目について、電気泳動で分離される分画の種類、健常成人血清中の主要な分画、および特定の疾患で特異的に上昇する分画をまとめて確認することが重要です。
関連知識
血清蛋白分画のアルブミン/グロブリン比、各グロブリン分画の生理的意義、リポ蛋白のLDLとHDLの役割、LDアイソザイムのLD1/LD2比の逆転、ALPアイソザイムの肝型と骨型の鑑別診断。