血小板製剤で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
血小板製剤は、輸血関連GVHD予防のため放射線照射が必須であり(選択肢2)、また、その品質の指標としてスワーリング現象が観察されることが重要です(選択肢4)。加温は血小板機能に影響を及ぼす可能性があり(選択肢1)、静置保存ではなく振盪保存が必須であり(選択肢3)、有効期間も通常4日間と短い(選択肢5)という点が誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 血小板製剤は室温で保存されており、輸血前に加温すると血小板の機能が損なわれる可能性があるため、原則として加温処理は行いません。正しくは:輸血前に加温処理は原則として行わない。選びやすい理由:輸血による冷感や低体温症を防ぐ目的で、他の血液製剤(特に大量輸血時)では加温が考慮されることがあるため、血小板製剤にも同様に加温が必要だと誤解しやすいです。混同注意:赤血球製剤など、低体温症のリスクが高い大量輸血時における加温の検討と混同しやすいですが、血小板製剤は室温保存が基本であり、加温は通常不要です。
- 2. 正解。血小板製剤には、ドナー由来のリンパ球が含まれており、これがレシピエント体内で増殖して重篤な輸血関連GVHD(移植片対宿主病)を引き起こすリスクがあります。これを予防するために、輸血前に放射線を照射し、リンパ球の増殖能力を失活させます。選びやすい理由:特になし。正しい知識があれば選べる選択肢です。
- 3. 血小板は凝集しやすいため、製剤中での凝集や機能低下を防ぐために、専用の恒温振盪器を用いて継続的に振盪しながら保存する必要があります。静置保存は血小板の凝集を促進します。正しくは:振盪しながら保存する。選びやすい理由:多くの医薬品が光による変性を避けるために暗所保存されるため、この点が正しいと思われがちですが、「静置」という点が誤りです。混同注意:血漿製剤やクリオプレシピテートなど、静置保存される他の血液製剤と混同しやすいです。
- 4. 正解。スワーリングとは、血小板製剤を軽く振った際に観察される、光の反射による渦巻き状のきらめきのことです。これは、血小板が円盤状の形態を保ち、かつ凝集せずに分散している健全な状態を示す指標であり、製剤の品質評価に用いられます。選びやすい理由:特になし。品質評価の重要な指標として知られています。
- 5. 血小板製剤の有効期間は、細菌増殖のリスクなどを考慮し、通常採血後4日間(または5日間)と定められています。7日間は長すぎます。正しくは:採血後の有効期間は通常4日間である。選びやすい理由:赤血球製剤など、有効期間がより長い他の血液製剤と混同しやすいです。また、採血後すぐには使えないため、ある程度の期間が必要という考えから、7日という数字を選んでしまいがちです。混同注意:全血製剤の採血後有効期間(21日間)や赤血球製剤(21日間または42日間)など、他の血液製剤の有効期間と混同しやすいです。
国試ポイント
血小板製剤の特性、特に保存条件(温度、振盪)、有効期間、品質評価(スワーリング)、および輸血に伴うリスク管理(放射線照射によるGVHD予防)は、臨床検査技師国家試験で頻繁に出題される重要なポイントです。他の血液製剤(赤血球、血漿など)との違いを理解しておくことが求められます。
混同注意
他の血液製剤(赤血球製剤、新鮮凍結血漿など)の保存条件、有効期間、加温の要否などと混同しやすいです。特に、振盪保存が必要な点と、放射線照射の目的は正確に覚えておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各血液製剤(赤血球、血小板、血漿など)の『保存温度』『保存形態(静置か振盪か)』『有効期間』『主要な副作用とその対策(GVHD、アレルギーなど)』を比較して確認することが重要です。
関連知識
血小板製剤は、室温(20~24℃)で恒温振盪保存されます。有効期間は、現在の日本の基準では原則採血後4日間です。放射線照射は、血液中のリンパ球を不活化することでGVHDを予防します。スワーリングは、血小板の形態が良好であることと、凝集がないことの視覚的な指標です。これらの知識は輸血検査学の基礎となります。