尿酸について誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番(いずれも正解)
解説
【公式の取扱い】この問題は1つを選ぶ形式ですが、公式の正答表では3・4のいずれも正解とされています。 選択肢3は「尿塩酸」という誤った用語を使用しています。組織に沈着するのは「尿酸塩(特に尿酸ナトリウム)」です。選択肢4は、尿酸がプリン体の最終代謝産物であるのに対し、ヘモグロビンの最終代謝産物はビリルビンであるため誤りです。これら2つが適切でない記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. 尿酸はフェーリング液の還元などに見られるように還元性を持つ物質です。これは、体内の活性酸素を除去する抗酸化作用にも寄与しています。選びやすい理由:還元作用と聞くと特定の反応を連想し、尿酸が関与しないと思い込む可能性があります。混同注意:尿酸の構造や代謝経路から還元作用の有無を判断できない場合。
- 2. 尿酸の血中濃度は男性の方が女性よりも高く、一般的に男性の基準範囲は3.8~7.5 mg/dL、女性は2.4~5.8 mg/dL程度とされています。これは女性ホルモン(エストロゲン)の尿酸排泄促進作用などが関係しています。選びやすい理由:基準値に性差がある項目は多いため、尿酸にもあることを知っていても、他の項目と混同して誤解する可能性。混同注意:性差がない項目と混同する可能性。
- 3. 正解。この選択肢は「尿塩酸」という誤った用語を使用しています。尿酸が組織に沈着する形態は、主に尿酸ナトリウム結晶(痛風結節)です。尿酸が尿中に排泄される際、水素イオンと結合して尿酸塩の形で存在しますが、体内で組織に沈着するのは「尿酸塩」であり、「尿塩酸」という物質ではありません。正しくは:「尿酸塩は組織に沈着する。」あるいは「尿酸ナトリウム結晶は組織に沈着する。」選びやすい理由:「尿酸」が組織に沈着するという一般的な知識に引っ張られ、「尿塩酸」という誤った表現を見過ごしてしまう可能性があります。混同注意:尿酸、尿酸塩、尿酸ナトリウムなどの用語が混同されやすいです。尿酸は水に溶けにくいですが、生体内では主に尿酸ナトリウムとして存在し、高濃度で結晶化して沈着します。
- 4. 正解。尿酸は、プリン体(アデニン、グアニンなど)の最終代謝産物です。プリン体は主に核酸(DNA、RNA)の構成成分であり、これらが分解される過程でキサンチンオキシダーゼなどの酵素によって尿酸に変換されます。一方、ヘモグロビンは赤血球に含まれるタンパク質で、その最終代謝産物はビリルビンです。正しくは:「尿酸は、プリン体の最終代謝産物である。」または「ヘモグロビンの最終代謝産物はビリルビンである。」選びやすい理由:代謝産物という言葉に漠然とした知識しかなく、多くの物質の代謝経路が頭の中で整理されていない場合、間違った関連付けをしてしまう可能性があります。混同注意:核酸代謝(プリン体、ピリミジン体)とヘム代謝(ヘモグロビン、ビリルビン)が混同されやすいです。
- 5. 血中(血漿)における尿酸の飽和溶解度は、体温(37℃)および生理的pH(約7.4)の条件で約7mg/dLとされています。これを超える濃度になると、過飽和状態となり結晶化しやすくなります。この値は高尿酸血症の診断基準や痛風発症のリスク評価において重要です。選びやすい理由:飽和溶解度という具体的な数値は忘れやすいため、誤っていると思い込む可能性があります。混同注意:具体的な数値は記憶に頼る部分が大きく、他の物質の溶解度と混同する可能性があります。
国試ポイント
本問題は、尿酸の基本的な性質、代謝経路、および病態生理に関する正確な知識を問うものです。特に、物質の名称の正確性(「尿酸」と「尿酸塩」)、そして最終代謝産物の関連性を理解しているかが重要です。臨床検査技師として、尿酸値の意義を理解するために不可欠な基礎知識です。
混同注意
尿酸とその塩(尿酸ナトリウム)、プリン体代謝とヘム代謝、それぞれの最終産物。
次に同じ論点が出たら
次に尿酸について問われたら、その生理学的役割(抗酸化作用)、排泄経路(腎臓からの排泄)、および痛風以外の関連疾患(尿路結石、腎障害)についても確認する。
関連知識
痛風、高尿酸血症の診断基準、プリン体代謝経路(キサンチンオキシダーゼの役割)、ヘム代謝経路(ビリルビン生成)。