非抱合ビリルビンについて正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
非抱合ビリルビンは脂溶性であるため、血液中では水に溶けることができません。このため、肝臓へ運ばれる際には、血漿中で最も豊富なタンパク質であるアルブミンと結合し、その水溶性を保ちながら輸送されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 非抱合ビリルビンは主に肝臓で抱合された後、胆汁として排出されます。腸肝循環するのは、抱合ビリルビンが腸内でウロビリノーゲンに還元され、その一部が再吸収される経路です。非抱合ビリルビン自体が腸肝循環することは基本的にありません。正しくは:抱合ビリルビンが腸管内でウロビリノーゲンとなり、その一部が腸肝循環により再吸収される。選びやすい理由:ビリルビンの代謝経路全体を漠然と捉えていると、腸肝循環もビリルビンに関わるため正しいと誤解する可能性があります。混同注意:抱合ビリルビンやウロビリノーゲンの代謝経路と、非抱合ビリルビンの代謝経路を混同している可能性があります。
- 2. 非抱合ビリルビンは脂溶性であり、血液中ではアルブミンと強く結合しています。このアルブミン結合体は分子量が大きいため、腎臓の糸球体を通過して尿中に濾過されることはありません。尿中に排泄されるのは水溶性である抱合ビリルビンです。正しくは:抱合ビリルビンは水溶性で、血中濃度が高くなると尿中に排泄される。選びやすい理由:ビリルビンが体外に排出される経路の一つとして尿が挙げられるため、安易に正しいと判断してしまう可能性があります。混同注意:非抱合ビリルビンと抱合ビリルビンの水溶性の違いや、腎臓での排泄メカニズムを混同している可能性があります。
- 3. 非抱合ビリルビンは脂溶性であるため、水溶性のジアゾ試薬と直接反応するためには、メタノールなどの加速剤(促進剤)を必要とします。加速剤なしで直接反応するのは、水溶性である抱合ビリルビン(直接ビリルビン)です。正しくは:抱合ビリルビンはジアゾ試薬と直接反応する。または、非抱合ビリルビンは加速剤を加えてジアゾ試薬と反応する。選びやすい理由:ビリルビンの測定法(ジアゾ反応)の名称を知っていると、ビリルビンが反応すること自体は正しいと誤解する可能性がありますが、「直接」という条件を見落としやすいです。混同注意:直接ビリルビン(抱合ビリルビン)と間接ビリルビン(非抱合ビリルビン)のジアゾ反応特性を混同している可能性があります。
- 4. 正解。非抱合ビリルビンは脂溶性で水に溶けにくいため、血液のような水溶性の環境では単独で存在できません。そのため、血液中で最も豊富なキャリアタンパク質であるアルブミンと結合することで、肝臓まで運搬されます。
- 5. δビリルビンは、抱合ビリルビン(特にモノグルクロン酸ビリルビンやジグルクロン酸ビリルビン)がアルブミンと共有結合したものです。グロブリンと結合して生成されるわけではありません。正しくは:抱合ビリルビンがアルブミンと共有結合してδビリルビンが生成される。選びやすい理由:δビリルビンという用語を知っているが、どのタンパク質と結合するか(アルブミンかグロブリンか)を誤解している可能性があります。混同注意:δビリルビンの構造や生成メカニズム、結合するタンパク質の種類を混同している可能性があります。
国試ポイント
ビリルビン代謝の基本、特に非抱合ビリルビンと抱合ビリルビンの物理化学的性質、血中輸送形態、測定法における反応性の違いが頻繁に問われます。黄疸の鑑別にもつながる重要な知識です。
混同注意
非抱合ビリルビン(間接ビリルビン)と抱合ビリルビン(直接ビリルビン)の性質(水溶性/脂溶性、アルブミン結合の有無、腎排泄の有無、ジアゾ反応性)が混同されやすいです。また、δビリルビンが抱合ビリルビンとアルブミンの共有結合体であることも重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、非抱合ビリルビンと抱合ビリルビンのそれぞれの特徴を確実に区別できるかが鍵となります。具体的には、水溶性/脂溶性、タンパク質結合の有無と種類、腎排泄の有無、ジアゾ反応性の違いを問う問題が予想されます。
関連知識
ビリルビン代謝経路全体(赤血球破壊から排泄まで)、黄疸の種類とビリルビン分画(間接優位型、直接優位型など)、ビリルビン測定法(ジアゾ反応、Jendrassik-Grof法など)の原理、新生児黄疸における非抱合ビリルビンの脳毒性。