右側腹部超音波像(別冊No. 7)を別に示す。最も考えられるのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
提示された超音波画像では、腎臓内に高輝度エコー(白く明るい影)が確認され、その直下には音響陰影(黒い影)が明瞭に描出されています。この高輝度エコーと音響陰影の組み合わせは、結石の超音波所見として極めて特徴的です。したがって、最も考えられるのは腎結石です。
選択肢ごとの解説
- 1. 水腎症の場合、腎盂や腎杯の拡張が超音波で確認されますが、この画像にはその所見がありません。特に集合系が拡大して黒く抜ける像は認められません。正しくは:腎盂や腎杯の著明な拡張像(集合系の拡大)が見られる。選びやすい理由:腎臓に関連する疾患であるため、鑑別疾患として頭に浮かびやすい。混同注意:腎結石と水腎症は、閉塞性腎疾患の原因と結果の関係にあり、時に混同しやすいですが、画像所見は異なります。
- 2. 正解。超音波画像において、高輝度エコー(白く明るい部分)とその背後に音響陰影(黒く抜ける影)を伴う像は、結石の典型的な所見です。この画像にはその特徴が明瞭に描出されています。
- 3. 腎囊胞は内部が無エコー(真っ黒)で境界が明瞭な円形または楕円形の病変として描出されます。この画像に見られるのは高輝度エコーと音響陰影であり、囊胞の所見とは異なります。正しくは:内部が無エコーで境界明瞭な腫瘤影が見られる。選びやすい理由:腎臓の良性疾患としてよく見られるため、選択肢として考えやすい。混同注意:結石は高輝度エコーを呈しますが、囊胞は内部が無エコーである点で明確に区別されます。
- 4. 尿管結石の場合、結石は尿管内に位置し、通常は超音波で描出しにくいことが多いです。特に腎臓の実質内に明瞭な結石像が見られることから、尿管結石よりも腎結石と診断するのが適切です。正しくは:尿管内に結石が確認され、しばしば水腎症を合併する。選びやすい理由:腎結石と尿管結石は関連性が高い疾患であり、場所を混同しやすい。混同注意:腎結石は腎臓の集合系に、尿管結石は尿管内に位置します。画像で結石の位置を確認することが重要です。
- 5. 腎細胞癌は通常、充実性の腫瘤として描出され、内部エコーは不均一であったり、様々なパターンを示しますが、典型的な高輝度エコーと音響陰影ではありません。また、血流シグナルが確認されることが多いです。正しくは:内部エコーが不均一で、血流シグナルを伴う充実性腫瘤として描出される。選びやすい理由:腎臓の重篤な疾患として、常に鑑別に上がる疾患であるため。混同注意:結石は良性病変で特有の音響陰影を伴いますが、腫瘍は充実性で不均一な内部エコーを示す点で異なります。
国試ポイント
超音波検査における結石の典型的な画像所見(高輝度エコーと音響陰影)を正確に識別できるかどうかが問われる問題です。各疾患の基本的な超音波所見を理解している必要があります。
混同注意
腎結石と水腎症の鑑別、また腎囊胞や腫瘍との基本的な画像所見の違いを混同しやすい。特に、結石による閉塞が水腎症を引き起こすため、関連性から混同が生じやすい。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず高輝度エコーと音響陰影の有無を確認し、それが結石の所見であることを確実に判断する。次に、他の選択肢の疾患がどのような超音波所見を示すかを想起し、画像と照合する。
関連知識
腎結石の超音波所見(高輝度エコー、音響陰影、twinkling artifact)、水腎症の超音波所見(腎盂腎杯の拡張)、腎囊胞の超音波所見(無エコー、後方エコー増強、境界明瞭)、腎腫瘍の超音波所見(充実性エコー、不均一、血流信号)。