乳房の超音波像(別冊No. 8)を別に示す。正しいのはどれか。2つ選べ。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
下に示す画像は乳腺の嚢胞(のうほう)を示しており、典型的な超音波所見として、内部が無エコーであり、病変の後方に後方エコー増強が見られます。形状は比較的整っており、境界も明瞭で、縦横比は横長であるため、悪性病変に特徴的な所見とは異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 画像内の病変は比較的整った類円形に近い形状を示しており、不整とは言えません。正しくは:病変の形状は類円形に近い。選びやすい理由:悪性腫瘍では形状不整が多いが、この画像はそれを示していないため誤り。混同注意:悪性病変の一般的な特徴と混同しやすい。
- 2. 画像内の病変は周囲組織との境界が比較的明瞭に描出されています。正しくは:病変の境界は比較的明瞭である。選びやすい理由:悪性腫瘍では境界不明瞭が多いが、この画像は境界が比較的はっきりしている。混同注意:浸潤性の悪性腫瘍の超音波所見と混同しやすい。
- 3. 正解。画像では病変内部が黒く、エコー信号をほとんど認めない無エコー像として描出されており、液体貯留性病変(嚢胞など)に典型的な所見です。
- 4. 画像では病変の横径が縦径よりも長く、縦横比は1.0未満(横長)であると判断できます。縦横比1.0以上(縦長)は悪性腫瘍に示唆的な所見です。正しくは:病変の縦横比は1.0未満である(横長である)。選びやすい理由:悪性腫瘍で縦横比1.0以上となることが多いが、この画像は横長であるため誤り。混同注意:悪性病変の典型的な所見と混同しやすい。
- 5. 正解。画像では病変の深部に位置する後方で、エコー輝度が増している「後方エコー増強」が認められます。これは嚢胞性病変(液体貯留)で、音波の減衰が少ないために生じる特徴的な所見です。
国試ポイント
乳腺の超音波検査における良性病変(特に嚢胞)と悪性病変の鑑別ポイントを理解しているかが問われています。特に、内部エコー、境界、形状、縦横比、後方エコーの有無は重要な鑑別点です。
混同注意
悪性病変(乳がんなど)の超音波所見(形状不整、境界不明瞭、内部不均一エコー、縦横比1.0以上、後方エコー減弱など)と混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出た際は、提示された画像が嚢胞なのか、それとも充実性病変なのかをまず判断します。その上で、形状、境界、内部エコー、縦横比、後方エコー(増強/減弱/なし)といった主要な鑑別ポイントが、それぞれ良性/悪性のどちらの所見に合致するかを確認して判断します。
関連知識
乳腺超音波検査では、充実性病変と嚢胞性病変の鑑別が重要です。嚢胞は内部無エコーで後方エコー増強を伴うことが特徴です。充実性病変は内部エコーが存在し、悪性所見としては形状不整、境界不明瞭、縦横比1.0以上(縦長)、内部不均一エコー、後方エコー減弱(シャドウ)などが挙げられます。