H-E染色標本(別冊No. 7)を別に示す。炎症の種類はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
提示されたH-E染色標本には、マクロファージが分化した類上皮細胞が集簇し、その中に多核のランゲルハンス巨細胞が見られ、周囲にはリンパ球が浸潤しています。これらの所見は、異物や微生物に対する慢性的な炎症反応によって形成される肉芽腫の特徴であり、したがって肉芽腫性炎と診断されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 化膿性炎では好中球が多数浸潤し、膿瘍を形成しますが、本画像にそのような所見は認められません。正しくは:好中球の著しい浸潤と膿瘍形成が見られる場合。選びやすい理由:炎症の一般的なタイプとして知識があるため、候補として考えやすい。混同注意:他の急性炎症との混同。
- 2. 出血性炎では赤血球の顕著な漏出が見られますが、本画像ではその所見は優位ではありません。正しくは:病変部に大量の赤血球が認められる場合。選びやすい理由:炎症に伴う血管透過性亢進が出血に繋がる可能性を連想するため。混同注意:急性炎症に伴う軽度の出血と混同。
- 3. 漿液性炎ではフィブリンや少数の炎症細胞を含む漿液が滲出しますが、本画像のような肉芽腫形成は特徴ではありません。正しくは:主に漿液の滲出が主体となる炎症で、比較的細胞成分が少ない場合。選びやすい理由:水疱形成など、比較的軽度な炎症をイメージさせるため。混同注意:急性炎症の初期段階や軽度の炎症と混同。
- 4. カタル性炎は粘膜に見られる炎症で、粘液の過剰分泌を特徴としますが、本画像はそのような粘液産生の所見を示していません。正しくは:粘膜における粘液の分泌亢進と炎症細胞浸潤が見られる場合。選びやすい理由:一般的な炎症の種類として知識があるため。混同注意:特定の臓器(特に消化管、気道)の炎症と混同。
- 5. 正解。画像所見として、類上皮細胞の集簇、ランゲルハンス巨細胞の存在、リンパ球の浸潤が認められます。これらは肉芽腫性炎に特徴的な組織像です。選びやすい理由:特徴的な細胞構成と構造が明確であるため、組織像の知識があれば選びやすい。混同注意:慢性炎症の他のタイプとの混同。
国試ポイント
炎症の病理組織像に関する基本的な知識、特に様々な炎症タイプの代表的な顕微鏡所見を識別できるかが問われる。本問題では肉芽腫性炎に特徴的な類上皮細胞、ランゲルハンス巨細胞の認識が重要。
混同注意
肉芽腫性炎は慢性炎症の一種であり、他の慢性炎症(例:慢性非特異的炎症)や特殊な炎症(例:アレルギー性炎症)と混同されやすい。しかし、類上皮細胞や巨細胞を主体とする特徴的な結節形成は肉芽腫性炎に特異的である。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出題された場合、まず炎症の種類を判断するために、どのような細胞が浸潤しているか、特徴的な構造(例:膿瘍、水疱、肉芽腫)があるかを観察する。特に多核巨細胞の種類(ランゲルハンス型、異物型、トゥートン型など)とその周辺の細胞(類上皮細胞、リンパ球、形質細胞など)の組み合わせに注目する。
関連知識
肉芽腫性炎の原因疾患には、結核、サルコイドーシス、クロイツフェルト・ヤコブ病、異物性肉芽腫などがある。各疾患における肉芽腫の形態的特徴(乾酪壊死の有無など)も関連知識として重要である。炎症の経過や細胞浸潤の種類(好中球、リンパ球、形質細胞、マクロファージなど)と各炎症タイプの関連。