透過光を用いた血小板凝集能測定の方法について誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
血小板凝集能検査では、EDTAは血小板の形態変化や機能不全を引き起こすため不適切です。一般的にはクエン酸ナトリウムを用いた多血小板血漿(PRP)が使用されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 血小板凝集能は食事の影響(特に高脂肪食)を受けるため、検査の標準化と正確な結果を得るためには、原則として空腹時に採血することが推奨されます。正しくは:この記述は適切であるため、修正の必要はありません。選びやすい理由:一見すると無関係に思えるかもしれませんが、生体内の因子が血小板機能に影響を与えることを考慮すると、重要な前処置です。混同注意:他の一般的な血液検査の採血条件と混同しやすいが、血小板凝集能検査においては特に重要です。
- 2. 正解。EDTA(エチレンジアミン四酢酸)はカルシウムイオンをキレートすることで血液凝固を阻害しますが、同時に血小板の形態変化や機能異常を引き起こし、凝集能を低下させます。そのため、血小板凝集能検査にはEDTAではなく、クエン酸ナトリウムなどの抗凝固剤が用いられた多血小板血漿(PRP)が適切です。正しくは:EDTA添加血漿ではなく、クエン酸ナトリウム添加血漿を用いるべきです。選びやすい理由:EDTAが一般的な抗凝固剤であるため、誤って正しい選択肢だと思ってしまう可能性があります。混同注意:一般的な血算検査(CBC)でEDTA採血管が用いられるため、そのイメージと混同しやすいですが、凝固・凝集検査では異なる抗凝固剤が選択されます。
- 3. 血小板凝集能は血小板数に依存するため、安定した再現性のある結果を得るためには、適切な血小板数(通常は15万〜30万/μL程度)に調整・確認することが重要です。正しくは:この記述は適切であるため、修正の必要はありません。選びやすい理由:多血小板血漿(PRP)を調製した後は、すぐに凝集能測定を行うため、その前のステップとして見落としがちかもしれません。混同注意:血小板凝集能検査は血小板機能の評価であり、血小板数の評価ではないと誤解されることがありますが、血小板数は機能発現の前提となります。
- 4. 血小板が凝集すると、光の散乱が減少し、より多くの光が検出器に到達するため、血漿の混濁度が低下し光透過度が増加します。これが透過光法による血小板凝集能測定の原理です。正しくは:この記述は適切であるため、修正の必要はありません。選びやすい理由:凝集するとかたまりができるため、光が遮られると直感的に考えてしまうかもしれませんが、実際は逆です。混同注意:凝集=不透明化という一般的なイメージと混同しやすいですが、懸濁液中の粒子が凝集すると、光の散乱が減って透明度が増します。
- 5. ADPは生体内で血小板活性化・凝集を誘発する生理的な物質であり、血小板凝集能検査において代表的な凝集惹起物質の一つとして広く用いられます。正しくは:この記述は適切であるため、修正の必要はありません。選びやすい理由:多くの凝集惹起物質があるため、ADPがその一つであることを知らないと迷うかもしれません。混同注意:ADP以外にもコラーゲン、リストセチン、エピネフリンなど多様な凝集惹起物質があり、これらとの使い分けや生理作用を混同する可能性があります。
国試ポイント
血小板凝集能検査の基本的な原理、使用する検体(抗凝固剤の種類)、測定時の注意点(空腹時採血、血小板数調整)、および凝集惹起物質について正しく理解しているか問う問題です。特に、抗凝固剤の種類とそれが血小板機能に与える影響は頻出のポイントです。
混同注意
EDTAとクエン酸ナトリウム、それぞれの抗凝固作用の機序と、血小板凝集能検査における適否を混同しやすいです。また、血小板凝集が光透過度に与える影響(増加する)も誤解されがちです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、各抗凝固剤(EDTA、クエン酸ナトリウム、ヘパリンなど)が血液細胞や凝固・凝集系に与える影響、各検査に適切な抗凝固剤は何か、そしてその理由を問う問題に注意が必要です。また、様々な凝集惹起物質の作用機序やそれによって評価できる疾患についても確認しておくと良いでしょう。
関連知識
クエン酸ナトリウムはカルシウムイオンを捕捉して凝固を阻害しますが、EDTAよりも血小板機能への影響が少ないため、凝固系・血小板機能検査で広く用いられます。透過光法は、血小板が凝集して塊になると光の透過性が増加するという原理に基づいています。