急性期反応性蛋白でないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
トランスサイレチン(プレアルブミン)は急性炎症時に濃度が低下する「負の急性期反応性タンパク質」であり、急性期反応性タンパク質とは逆の挙動を示します。他の選択肢に挙げられたCRP、ハプトグロビン、セルロプラスミン、α1-アンチトリプシンはすべて、急性炎症時に血中濃度が上昇する「正の急性期反応性タンパク質」に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 急性炎症や組織損傷の際に血中濃度が急速に上昇する代表的な急性期反応性タンパク質です。正しくは:急性期反応性タンパク質である。選びやすい理由:急性期反応性タンパク質として最も有名で、多くの臨床現場で測定されているため、逆に「問題に出てきたからこれは違うのでは?」と深読みしてしまう可能性もあります。混同注意:他の急性期反応性タンパク質と区別はつきにくいが、急性期反応性タンパク質としての性質自体は明確なので、混同は少ない。
- 2. 溶血性貧血の診断などで用いられ、急性炎症反応によって血中濃度が上昇する急性期反応性タンパク質の一つです。正しくは:急性期反応性タンパク質である。選びやすい理由:名称が馴染み深くない学生にとっては、判断に迷うかもしれません。混同注意:慢性炎症や他の疾患で変動するタンパク質と混同する可能性があります。
- 3. 銅を運搬するタンパク質であり、急性期炎症反応によって血中濃度が上昇する急性期反応性タンパク質です。正しくは:急性期反応性タンパク質である。選びやすい理由:銅代謝に関連するタンパク質として認識されているため、急性期反応性タンパク質としての側面を見落としがちかもしれません。混同注意:ウィルソン病などで低下するため、その病態との関連で「急性期反応性タンパク質」という認識が薄れることがあります。
- 4. 正解。トランスサイレチンは、プレアルブミンとも呼ばれ、甲状腺ホルモンやレチノール結合タンパク質を運搬します。炎症や栄養不良の状態では血中濃度が低下する「負の急性期反応性タンパク質」であるため、急性期反応性タンパク質には該当しません。
- 5. エラスターゼなどのプロテアーゼ阻害作用を持つタンパク質で、炎症反応時に血中濃度が上昇する急性期反応性タンパク質です。正しくは:急性期反応性タンパク質である。選びやすい理由:遺伝性疾患(α1-アンチトリプシン欠損症)の関連で覚えている学生は、その側面に注目しすぎて急性期反応性タンパク質としての性質を見落とすかもしれません。混同注意:他のプロテアーゼ阻害物質や、慢性炎症で上昇するタンパク質と混同する可能性があります。
国試ポイント
急性期反応性タンパク質(正の急性期反応性タンパク質)と負の急性期反応性タンパク質を正確に区別できるかが問われています。主要な急性期反応性タンパク質(CRP, SAA, ハプトグロビン, α1-アンチトリプシン, セルロプラスミン, フィブリノゲンなど)と、代表的な負の急性期反応性タンパク質(アルブミン, トランスサイレチン, トランスフェリンなど)を確実に覚え、その挙動の違いを理解することが重要です。
混同注意
正の急性期反応性タンパク質と負の急性期反応性タンパク質、あるいは個々のタンパク質の生理的機能と、急性期反応性タンパク質としての性質が混同されやすいです。例えば、アルブミンやトランスフェリンなども負の急性期反応性タンパク質として出題される可能性があります。
次に同じ論点が出たら
次回、同じ論点が出題された場合、代表的な「負の急性期反応性タンパク質」(アルブミン、トランスフェリンなど)が今回の正答以外に選択肢として含まれていないか、あるいは「正の急性期反応性タンパク質」のグループの中から、比較的マイナーなものが選ばれていないかを確認する。また、各タンパク質の主要な生理機能についても関連して問われる可能性があります。
関連知識
急性期反応性タンパク質は、感染症や外傷、炎症、悪性腫瘍などの急性期の生体防御反応として、肝臓で産生が促進され血中濃度が上昇するタンパク質の総称です。これらは生体防御、組織修復、抗炎症作用などに関与します。一方、負の急性期反応性タンパク質は、急性期に産生が抑制され血中濃度が低下するタンパク質で、主に栄養状態や運搬機能と関連が深いです。臨床検査では、CRPが炎症マーカーとして広く用いられ、トランスサイレチン(プレアルブミン)は半減期が短いため、栄養状態の迅速な指標として利用されます。