逸脱酵素でないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
逸脱酵素とは、細胞内に存在する酵素が細胞障害によって細胞外(血中など)に逸脱することで、その活性が上昇する酵素を指します。CK、LD、ALT、ASTは細胞内に豊富に存在し、それぞれ心筋、骨格筋、肝臓などの細胞障害時に血中濃度が上昇するため、代表的な逸脱酵素です。一方、コリンエステラーゼ(ChE)は主に肝臓で合成され血中に分泌される酵素であり、その血中活性は肝臓の合成能を反映します。細胞障害で逸脱するわけではないため、逸脱酵素には分類されません。
選択肢ごとの解説
- 1. CKは心筋や骨格筋に多く存在する逸脱酵素であり、細胞障害により血中に逸脱します。正しくは:CKは代表的な逸脱酵素です。選びやすい理由:筋肉関連の酵素であるため、細胞破壊と結びつきやすい。混同注意:逸脱酵素と誘導酵素の区別。
- 2. LDは多くの臓器に広く分布し、細胞障害時に血中に逸脱する逸脱酵素です。正しくは:LDは代表的な逸脱酵素です。選びやすい理由:汎用的な細胞障害マーカーとして認識されているため。混同注意:アイソザイムの存在と逸脱酵素としての機能。
- 3. ALTは主に肝臓に存在する逸脱酵素で、肝細胞障害の指標となります。正しくは:ALTは代表的な逸脱酵素です。選びやすい理由:肝機能検査として非常に有名であるため、逸脱酵素としての理解が定着している。混同注意:ALTとASTの違い、誘導酵素との区別。
- 4. ASTは肝臓だけでなく心筋や骨格筋にも存在する逸脱酵素で、細胞障害時に血中に逸脱します。正しくは:ASTは代表的な逸脱酵素です。選びやすい理由:肝機能検査として非常に有名であるため、逸脱酵素としての理解が定着している。混同注意:ALTとASTの違い、逸脱酵素と誘導酵素の区別。
- 5. 正解。ChEは主に肝臓で合成され血中に分泌される酵素であり、肝臓の合成能を反映します。細胞障害による逸脱ではなく、合成能低下や合成促進によって血中濃度が変動するため、逸脱酵素ではありません。正しくは:ChEは肝臓の合成能を反映する酵素であり、逸脱酵素ではありません。選びやすい理由:肝機能検査項目の一つであるため、他の肝酵素と同じカテゴリーと誤解しやすい。混同注意:逸脱酵素(細胞内酵素が細胞障害で流出)と、誘導酵素(薬物などで合成が誘導される)、あるいは分泌酵素(肝臓などで合成され血中に分泌される)の区別。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、主要な酵素が「逸脱酵素」「誘導酵素」「分泌酵素」のいずれに分類されるかを正確に理解しているかが頻繁に問われます。特に、肝機能検査に関連する酵素は混同しやすいため、それぞれの酵素の存在する場所(細胞内・細胞膜・血中)、変動要因(細胞障害・合成能・誘導)を明確に区別することが重要です。
混同注意
逸脱酵素(CK, LD, AST, ALT, ALPの一部など)と誘導酵素(ALP, γ-GTPなど)、分泌酵素(ChE, アミラーゼ, リパーゼなど)の分類。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、各選択肢の酵素が「細胞内に存在する主要な酵素か」「細胞障害時に血中濃度が上昇するか」を判断基準とします。特に、肝機能に関連する酵素については、細胞障害による逸脱なのか、合成能の変化によるものなのか、または薬物などによる誘導なのかを区別することが重要です。
関連知識
・逸脱酵素:細胞障害により血中に出る酵素。例:AST, ALT, CK, LD。臓器特異性は様々。 ・誘導酵素:薬物などにより肝臓での合成が誘導され、血中濃度が上昇する酵素。例:γ-GTP, ALP(胆道系障害時)。 ・分泌酵素:主に特定の臓器で合成され、生理的に血中に分泌される酵素。血中濃度は合成能や分泌経路の異常を反映する。例:ChE, アミラーゼ, リパーゼ。 ・ALPは逸脱酵素としても誘導酵素としても機能する側面がある(骨由来は逸脱、肝臓胆道系は誘導)。