ペプチドホルモンはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
ペプチドホルモンとは、アミノ酸がペプチド結合によって連結された構造を持つホルモンの総称です。選択肢の中で、カルシトニンは32アミノ酸、副甲状腺ホルモン(PTH)は84アミノ酸からなるポリペプチドであり、これらがペプチドホルモンに該当します。アドレナリンはアミン誘導体ホルモン、アルドステロンはステロイドホルモン、サイロキシンはアミノ酸誘導体ホルモンに分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. アドレナリンは、アミノ酸のチロシンを前駆体とするカテコールアミンというアミン誘導体ホルモンであり、ペプチド構造は持ちません。主にストレス応答に関与します。正しくは:アドレナリンはアミン誘導体ホルモンであり、交感神経刺激により心拍数や血圧を上昇させるなどの作用があります。選びやすい理由:ホルモンであるという点で、他のホルモンと同じグループと誤解されやすいですが、化学構造が異なります。混同注意:水溶性であるため、同じく水溶性のペプチドホルモンと混同されることがあります。
- 2. アルドステロンはコレステロールを前駆体とするステロイドホルモンであり、ペプチド構造ではありません。腎臓でのナトリウム再吸収とカリウム排泄を促進し、体液量と血圧を調節します。正しくは:アルドステロンはステロイドホルモンであり、電解質と体液バランスの調整に重要な役割を果たします。選びやすい理由:副腎皮質から分泌される重要なホルモンであり、その生理機能の重要性から選択肢として目を引くかもしれませんが、化学構造が異なります。混同注意:ホルモンを化学構造で分類する際に、ペプチドホルモンとステロイドホルモンの区別が曖昧だと混同しやすいです。
- 3. 正解。カルシトニンは32個のアミノ酸がペプチド結合で連なったポリペプチド鎖を持つホルモンであり、ペプチドホルモンに分類されます。甲状腺の傍濾胞細胞(C細胞)から分泌され、血中カルシウム濃度を低下させる作用があります。
- 4. サイロキシン(T4)は、ヨード化されたアミノ酸誘導体であり、チロシンというアミノ酸にヨウ素が結合したものです。ペプチド構造は持たず、アミン誘導体ホルモン(甲状腺ホルモン)に分類されます。正しくは:サイロキシンはアミノ酸誘導体ホルモンであり、甲状腺から分泌され、基礎代謝の促進など全身の代謝調節に関与します。選びやすい理由:甲状腺ホルモンという名称から、他の重要ホルモンと混同されやすいですが、化学構造に注目する必要があります。また、水溶性であるためペプチドホルモンと誤解されることがあります。混同注意:水溶性ホルモンではあるものの、化学構造はペプチドではなくアミノ酸誘導体であるという点で、ペプチドホルモンと混同しやすいです。
- 5. 正解。副甲状腺ホルモン(PTH)は84個のアミノ酸からなるポリペプチド鎖を持つホルモンであり、ペプチドホルモンに分類されます。副甲状腺から分泌され、血中カルシウム濃度を上昇させる作用があります。
国試ポイント
ホルモンの化学構造による分類は、国家試験で非常に頻繁に出題される基本的な知識です。特にペプチドホルモン、ステロイドホルモン、アミン誘導体ホルモンの代表的な例と、それぞれの化学的特性(水溶性か脂溶性か、受容体が細胞膜にあるか細胞内にあるかなど)を正確に理解しているかが問われます。この問題では、主要なホルモンがどの分類に属するかを識別する能力が確認されています。
混同注意
水溶性であるホルモンが全てペプチドホルモンであるという誤解が挙げられます。アミン誘導体ホルモンも水溶性ですが、ペプチド構造とは異なります。特に、甲状腺ホルモン(サイロキシン)やカテコールアミン(アドレナリン)は水溶性ですが、ペプチドではありません。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題される場合、ホルモンの化学構造だけでなく、それが水溶性か脂溶性か、そして細胞のどこに受容体が存在するか(細胞膜受容体か細胞内受容体か)まで問われる可能性が高いです。また、分泌臓器や主要な生理作用を組み合わせた応用問題も想定されます。
関連知識
ホルモンの化学構造分類は主に以下の3つです。1. ペプチド/タンパク質ホルモン(例: インスリン、グルカゴン、成長ホルモン、ADH、オキシトシン、下垂体前葉ホルモン、PTH、カルシトニンなど)、2. ステロイドホルモン(例: コルチゾール、アルドステロン、性ホルモンなど)、3. アミン誘導体ホルモン(例: カテコールアミンであるアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、および甲状腺ホルモンであるサイロキシン、トリヨードサイロニン)。各ホルモンの分泌臓器、主な生理作用、受容体の局在(細胞膜受容体か細胞内受容体か)も合わせて学習することが重要です。