厚いペプチドグリカン層を持つのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
グラム陽性菌は厚いペプチドグリカン層を細胞壁に持ち、グラム染色で紫色に染まります。黄色ブドウ球菌はその代表例です。一方、グラム陰性菌(クレブシエラ、オリエンティア)は薄いペプチドグリカン層と外膜を持ちます。クラミジアはグラム陰性菌に分類されるものの、ペプチドグリカン層が特殊な構造を持ちます(ムラミン酸が検出されないなど)。マイコプラズマは細胞壁を全く持ちません。
選択肢ごとの解説
- 1. クラミジアはグラム陰性菌に分類されますが、細胞壁のペプチドグリカン層は非常に薄く、特徴的な構造をしています(ムラミン酸が検出されないなど)。厚いペプチドグリカン層は持ちません。正しくは:細胞壁に厚いペプチドグリカン層を持たない。選びやすい理由:グラム陰性菌に分類されるため、細胞壁があることは認識されていても、その特殊性(薄さ)まで意識されていない場合に選択肢として迷いやすいかもしれません。混同注意:他の一般的なグラム陰性菌や、細胞壁を持たないマイコプラズマなどとの違いが混同されやすいです。
- 2. クレブシエラはグラム陰性菌であり、その細胞壁は薄いペプチドグリカン層と外膜から構成されます。厚いペプチドグリカン層は持ちません。正しくは:細胞壁に薄いペプチドグリカン層を持つ。選びやすい理由:グラム陰性菌の代表例であるため、細胞壁の存在は認識しやすいですが、その厚さまでは意識されていない場合に誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:グラム陽性菌の細胞壁の構造との混同や、単に細胞壁があるという情報だけで判断してしまうことがあります。
- 3. マイコプラズマは細胞壁を全く持たない細菌であり、ペプチドグリカン層も存在しません。正しくは:細胞壁を全く持たない。選びやすい理由:細菌であるため、細胞壁があるという先入観から、細胞壁がないという特殊性を見落としてしまう可能性があります。混同注意:細胞壁を持つ他の細菌全般と混同されやすいです。特に、グラム染色で染まらないという点でグラム陰性菌と混同することもありますが、グラム陰性菌は細胞壁を持つ(ペプチドグリカン層が薄い)点で異なります。
- 4. オリエンティア(リケッチア目)はグラム陰性菌と同様に、細胞壁に薄いペプチドグリカン層を持ちます。厚いペプチドグリカン層は持ちません。正しくは:細胞壁に薄いペプチドグリカン層を持つ。選びやすい理由:グラム陰性菌であることや、細胞内寄生性である特殊性から、細胞壁の構造に関する知識が曖昧になり、他の選択肢と迷う可能性があります。混同注意:一般的なグラム陰性菌の細胞壁の構造と混同されやすいです。
- 5. 正解。黄色ブドウ球菌はグラム陽性菌の代表的な種類であり、その細胞壁は非常に厚いペプチドグリカン層で構成されています。これがグラム染色で紫色に染まる主要な理由です。
国試ポイント
細菌の分類(グラム陽性菌、グラム陰性菌、細胞壁欠損菌、特殊な細胞壁構造を持つ菌)と、それぞれの細胞壁の主要構成成分(特にペプチドグリカンの有無と厚さ)を正確に理解しているかを問う問題です。グラム染色の原理の基礎知識も重要となります。
混同注意
グラム陽性菌とグラム陰性菌の細胞壁構造の混同、細胞壁を持たない菌(マイコプラズマ)と細胞壁が薄い・特殊な菌(クラミジア、リケッチア)の混同が起こりやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出題された場合、グラム染色結果と細胞壁構造の関係(外膜の有無、ペプチドグリカンの厚さ)をより詳細に問われる可能性があります。また、細胞壁の構成成分(リポ多糖、タイコ酸など)に関する知識も重要になるでしょう。
関連知識
グラム染色の原理、グラム陽性菌とグラム陰性菌の細胞壁の模式図、リケッチア・クラミジア・マイコプラズマなどの特殊な微生物学的特徴について理解しておく必要があります。